犬は花を食べても平気?お散歩のときに気を付けたいキケンな花!
2021.06.29
散歩中に犬が、花や草を食べたがる事はありませんか?一生懸命、草や花を食べている犬を見ると「食べても大丈夫なの?」と疑問に思うのも当然かと思います。実は、身の回りにある花の中には、犬にとって毒である種類が数多くあります。しかし、見た目には美しい花の中で、どんな種類が犬にとってキケンな花かどうかなどわからない方も多いのではないでしょうか?ここでは、散歩中にもよく見かける犬にとってキケンな花の種類と危険性をご紹介いたします!
犬は花を食べても大丈夫なの?
散歩中や屋外で遊んでいる時など、犬が花と触れ合う機会は多いですよね。中には、ガーデニングが趣味で、犬も遊ばせる庭にたくさんの花が植えられているという家も少なくないと思います。見た目には、とてもきれいで良い香りのする花ですが、犬が食べるとキケンな花も数多くあるので注意が必要です。
何故犬は花を食べるの?
犬が、花や草を食べてしまうのは、「胃のむかつきを解消したいから」というのが主な理由です。しかし、甘い香りにつられてキケンな花を食べてしまう事が多いのも事実です。毒のある花は種類によって、毒を持つ部分や強さが違ってきます。植物の毒性に詳しく、犬が食べても問題ない植物を判断出来る方ならともかく、植物の知識に自信がない方は、安易に犬に花を食べさせないようにしましょう。
食べるとキケンな花を知ろう!
毒を持っている花も、見た目が美しい花であることがほとんど。その種類は、花壇にも植わっているガーデニングの花から野草の花まで、季節を問わず様々。彼岸花や水仙など、自生している種類も多いので、絶対に食べさせないようにしましょう。
ユリ科 | ・ユリ(6月~8月) ・チューリップ(3~5月) |
---|---|
スミレ科 | ビオラ・パンジー(春咲き:3~4月/秋咲き:10~11月) |
キク科 | ・デイジー(2月~5月) ・マーガレット(3月~6月) |
マメ科 | スイートピー(4月~6月) |
ツツジ科 | ツツジ(4月~5月) |
スズラン科 | スズラン(4月~5月) |
アヤメ科 | アヤメ(4月~6月) |
アジサイ科 | アジサイ(6月~7月) |
オシロイバナ科 | オシロイバナ(7月~10月) |
ヒルガオ科 | アサガオ(6月~10月) |
ヒガンバナ科 | ・彼岸花(白:9月上旬~中旬 赤:9月中旬~下旬) ・アマリリス(春咲き:3月~6月 秋咲き:9月~10月) ・水仙(12 月中旬~2月上旬) |
トウダイグサ科 | ポインセチア(12月~2月) |
注意すべき花を季節ごとに分けてみましたが、ガーデニングに使われる花も多くありますよね。散歩中にもよく目にする花が多い、と感じます。今回はその中でもガーデニングで人気があり、花壇でもよく植えられている花をピックアップして、そのキケン性をご紹介します。
ユリ
ユリを食べてしまった時の主な症状は、嘔吐、下痢、痙攣、吐血、乏尿、呼吸不全、急性肝不全などです。犬がユリ科の植物を摂取した場合、最長48時間以内に激しい肝不全を起こします。ユリ科の植物は、犬にとって非常にキケンな植物なので、ユリ科全般の植物には近寄らせないでください。
犬が食べてはいけないネギや玉ねぎも、実はユリ科の仲間。ガーデニングでも人気の高いユリの花や葉、根を食べてしまった場合、少量でもすぐに重篤な状態に陥ります。人間には無害でも、ユリの花粉がついただけでも犬が中毒になることもあります。
チューリップ
春先になるとあちこちの花壇で見ることが出来るチューリップもユリ科の仲間です。チューリップを食べてしまった時の主な症状は、皮膚炎、口内炎や心不全。犬が甘い香りにつられて球根を食べてしまい、中毒になってしまう事例が毎年後を絶ちません。
球根程多くはありませんが、花や葉といった全ての部位に毒を持っています。少量でも、中毒症状を起こすキケンな花なので注意しましょう。ガーデニングが趣味の場合、犬を飼っているのなら、植えるのは控えるか球根の保管場所に十分注意すべきです。
パンジー・ビオラ
花にはそこまで強力な毒はないパンジー・ビオラですが、神経毒が含まれているため心臓麻痺を起こすことがあるキケンな花です。茎や根に毒が多く含まれているので、絶対に食べさせないようにしましょう。色とりどりの種類があるパンジーやビオラは、ガーデニングでもチューリップと並んで人気がある花です。
しかし、花を多量に食べてしまった犬が嘔吐や下痢といった中毒になってしまい、動物病院に搬送されてしまった事例も少なくありません。猫やウサギでも中毒症状が出てしまうキケンな花なので、散歩中に食べないように注意してください。
ツツジ
ツツジは、嘔吐や下痢、多量に摂取すると呼吸困難の症状が出るキケンな花です。蜜にも花同様に毒があります。散歩中の犬が、歩道に植えられているツツジを食べて中毒になってしまう事例が後を絶ちません。
かなりの量を食べないと死に至らない花ですが、なるべく食べさせないように注意をした方が良いでしょう。一般的なツツジよりも小さく鮮やかな赤い「レンゲツツジ」という種類は、毒の含有率も高い花です。見目が良いため、道端や民家の庭にもよく植えられています。
スズラン
白くて可憐な印象のあるスズランですが、とても可愛いとは言えない強力な毒を全ての部位に持っています。特に花と根に強い毒を持つスズランを食べてしまった時の症状は、嘔吐、頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺。ほんの少しの量でも、簡単に死に至ります。
スズランの毒は水にもよく溶けるので、生けていた花瓶の水を飲んだだけでも中毒になります。白くて小さい花が可愛いため人気のあるスズランですが、絶対に犬を近づけないようにしましょう。
アジサイ
梅雨の花でもあるアジサイも、とってもキケンな花です。花だけではなく葉も有毒なアジサイを食べてしまった時の主な症状は、嘔吐、消化器官の異常、めまいや意識障害です。雨の風物詩でもあるカタツムリも、実はアジサイに寄り付こうとしないくらい強い毒を持っているんです。よくデザインで用いられているアジサイとカタツムリのセットは、あくまで人間の想像なんですね。
それだけ強力な毒を持っているアジサイは、梅雨の時期の散歩中や家の中に飾った時に、犬が誤って食べてしまう事故が絶えません。鉢植えのアジサイを家に置く時や切り花を飾る時は、犬が絶対に近づけないところに置くようにしましょう。
オシロイバナ
昼にかけて咲き始めるオシロイバナは、ガーデニングだけでなく自生している姿もよく目にしますよね。種、茎や根に毒を持つキケンなオシロイバナを食べた時の主な症状は、嘔吐、下痢、腹痛。きちんと世話をされていないオシロイバナが民家の庭から道路の方にはみ出ていたりすることがあるので、散歩中の犬が間違って食べないように注意しましょう。
アサガオ
夏の代名詞アサガオも、実は犬にとってキケンな植物。子どもの頃に夏休みの観察日記をつけるために、大変な思いをして持って帰った思い出がある方も多いのではないでしょうか?夏になるといたるところで目にするアサガオですが、危険なのは花や葉ではなく「種」です。
道端の植物に巻き付いて咲いているアサガオの仲間であるヒルガオの種子を食べてしまった場合、激しい嘔吐や下痢、血便を起こします。ガーデニングとしても人気が高い西洋アサガオの種子を食べてしまった場合には、幻覚症状を引き起こします。アサガオの花が枯れ、茎に種子が出来る季節の散歩では、犬が種子を食べないように注意してください。
彼岸花
お彼岸の時期になると、見事な赤い花を咲かせる彼岸花も実は、キケンな花の一つ。彼岸花が田んぼのあぜ道に咲いているのは、球根と土の下にある茎(鱗茎)の含まれている毒で、モグラを近寄らせないようにしているのです。
ヒガンバナが毒を有しているのは、全ての部位です。彼岸花を食べてしまった時の主な症状は、嘔吐、下痢、呼吸困難、心不全。散歩中に落ちていた彼岸花を嚙んで、中毒に陥る犬もいるので、注意してくださいね。
スイセン
全ての部位に毒を持つスイセンは、特に球根に強力な毒を持っています。スイセンを食べてしまった時の主な症状は、嘔吐、下痢、不整脈です。少し下向き加減に咲く可愛らしい花なので、ガーデニングにも人気が種類のスイセン。田舎の方では、田んぼ畑のあぜ道に植えられているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
彼岸花同様、球根と土の下にある茎(鱗茎)に特に強い毒を持っているスイセンは、モグラ除けのために植えられていることが多いのです。スズランと同様、水によく溶ける毒を持っているキケンな花なので、散歩中やスイセンを飾る時などは十分注意するようにしてください。
もし食べてしまった時は?
もし、犬がキケンな花を食べてしまった場合には、すぐに最寄りの動物病院で診てもらいましょう。少量でも犬にとってキケンなユリなどは、処置を素早く施さないと手遅れになる可能性があります。暖かくなるにつれて咲く、色鮮やかな花を犬と見るのも和みますが、くれぐれも犬がキケンな花を食べてしまわないよう、犬の行動には十分注意してくださいね。
まとめ
今回は、犬の散歩中によく目にするキケンな花をご紹介しましたが、食べなければ害はありません。キケンな花だからと言って必要以上に怖がる必要はありませんが、散歩中の犬が、花を食べてしまわないように、目を離さないで注意しましょう。ぜひ、美しい花を見ながら、犬と散歩する時間を楽しんでくださいね!