猫の噛み癖がひどいのはなぜ?飼い主さんができること
2020.06.02
遊びの合間、爪切り、抱っこをしたとき・・・不意に噛みつかれることはありませんか? 実は最近、猫の噛み癖にお悩みの方が増えています。猫はひっかくもの・・・噛むなんて・・・と驚かれるでしょう。 でも猫の噛み癖はごく自然な習性です。原因としつけ方を正しく理解し、噛み癖解消を目指しましょう。
子猫の噛み癖は歯のむずがゆさが原因
生後3カ月未満の子猫がみせる噛み癖は、乳歯の生え変わりが起こる時期特有の行動です。
その理由は
〇歯や歯茎がむずがゆい
〇イライラしている
この時期、硬いもの、噛み応えのあるものを噛むことで、不快感が解消できるので、しきりに噛みつきたがります。
またこの時期は徐々に運動機能が発達し、思うように体を動かせるようになります。
〇自分よりも大きな相手
〇噛むことで反応を見せてくれる相手
〇自分より弱い相手
などを噛むことで、力試しを楽しんでもいます。
子猫をじゃらし遊ぶとき、つい手や足にじゃれさせていませんか?
家族のこのような行動は、子猫に誤った遊び方を教え、噛み癖の助長につながっています。
子猫は楽しい遊び方の1つが噛みつくことだと勘違いしてしまうのです。
この誤りに気が付かないまま成長すると、次第に自己主張、コミュニケーションの1つの方法として噛みつきを続けてしまうのです。
この時期の噛み癖は、乳歯が抜け、永久歯が生え揃うことで自然と解消されます。生後3,4か月を目途にこの生え変わりは終わります。
つまり、この時期を過ぎても噛み癖が続く場合は、単なる甘噛み、発育過程ではなく、完全な「噛み癖」という悪い癖がついてしまったということです。
成猫の噛み癖は強めのNO!サイン
猫は我慢ができない!とよく言われます。不快なこと、苦手なこと、怖いこと、嫌なこと・・・たとえ飼い主が叱ったとしても、我慢をしてじっと受け入れるということができません。
気まぐれな猫ならではの性質ですから仕方がありません。
成猫が噛み癖を見せるタイミングは
〇爪切り
〇ブラッシング
〇シャンプー
〇歯磨き
〇薬を飲ませる
〇抱っこ
〇撫でているとき
中には遊びの最中にテンションがあがり、噛み癖をみせる猫もいるでしょう。
成猫が噛み癖をみせる背景には「何等かの不快感」があるはずです。つまり噛み癖をみせた後も、引き続き同じ行動を飼い主や同居猫、同居犬が続ければ、ますます猫を追い詰めてしまうことになります。
噛み癖は猫からの「強めのNO!サイン」と理解し、一旦猫と距離を置き、機嫌が直るまで様子をみておきましょう。
噛み癖は早期に改善を
猫の噛み癖は引っかくこと、、逃げることと大差のない行動です。意思表示の方法の1つと考えておきましょう。
ただ噛み癖は決して放置してよいものではありません。噛み癖があると気が付いた時は、早期の解消を目指しましょう。
しつけで解消しなければならない理由は
〇病院での治療に支障をきたす
〇自宅での服薬が難しくなる
〇口内ケアができない
〇飼い主が介護やお世話をできない
〇ペットホテル利用時に周囲に危険をもたらす
などです。
猫の平均寿命は15年ほどです。20歳を超える猫もめずらしくありません。
高齢になると徐々に
〇歯や歯茎の不調
〇口内炎
〇内臓疾患
〇流動食を飼い主が食べさせる
〇排泄物で汚れた体を自宅でシャンプーする
などの機会が増えます。
この時、噛み癖が残ったままでは、スムーズにお世話ができない上に、猫自身も家族も相当なストレスを募らせてしまうでしょう。
猫はとても知能が高く、飼い主の意図をきちんと理解できています。
噛み癖がいけないこと!ということはもちろんわかっています。
噛み癖は猫への接し方を見直すことで、徐々に解消できます。諦めず、叱らずに気長に解消を目指してゆきましょう。
噛み癖解消は「叱らないしつけ」が効果的
気まぐれな猫の噛み癖解消のしつけに「叱ること」は逆効果です。猫に敬遠され、猫は家族と距離を置こうと考えてしまいます。中には敵対心をさらに強め、噛み癖が悪化する猫もいます。
猫のしつけは「叱らないこと」を常に心がけましょう。
叱らずに噛み癖を治す方法は
〇猫が噛みつくタイミングを把握する
〇猫の好物をあたえ気をそらす
〇猫がリラックス場所を撫でる
〇ストレスの原因を突き止める
〇運動不足解消を目指す
この5つがポイントです。
例えば、爪切りの時に噛み癖を見せる場合は、家族で協力し、爪切りの最中に猫の大好物なオヤツをあたえ、気をそらしておきます。
爪を切ることに夢中になって、猫を押さえつけたり、叱ったりはしてはいけません。
オヤツに夢中になり、大人しく爪を切らせている間は優しい声で褒め続けることも効果的です。
また別のケースでは、家族の手や足にじゃれつき、噛み癖をみせる猫には、「けりぐるみ」と呼ばれる大きなサイズのおもちゃもおすすめです。
けりぐるみは簡単に手作りができるので、愛猫サイズでオリジナルけりぐるみをつくると、ストレス発散、運動不足解消になり、噛み癖解消にも効果的です。
まとめ
猫の甘噛みや噛み癖を大目にみてもよし!といえるのは、生後3カ月までです。
3カ月以降は単なる噛み癖です。噛み癖は叱らずに、根気強く家族がしつけに取り組むことで、解消できます。
猫と仲良く、お互いがストレスフリーに暮らすためにも、噛み癖の理由としつけ方を覚えておきましょう。