インコの卵詰まりはなぜ起こる?原因や対処方法・予防方法を解説
2023.07.18
「インコが卵詰まりをして困っている」 「インコが卵詰まりしそうで心配。予防方法はない?」といった疑問や悩みのある方。 緊急性が高い障害で、すぐに対処しないと生死に関わることもあります。 結論、現在すでに卵詰まりを起こしているなら、保温をしてカルシウム剤を与えましょう。 病院へいく前処置としておこなえば、自宅で解決できるかもしれません。 今回は、インコの卵詰まりでお悩みの方に、卵詰まりの原因・確認方法・対処方法・予防方法を紹介します。 予防方法さえ知っておけば、インコが苦しむこともありません。 ぜひ、参考にしてください。
インコの卵詰まりはなぜ起こる?
インコの卵詰まりの原因は、さまざまです。
おもに考えられる要因は、以下の7つです。
● カルシウム不足
● 産卵のしすぎ
● 産卵能力の低下
● 肥満
● ストレス
● 卵管炎など卵巣や卵管の病気
● 寒さ
卵詰まりは、メスのインコなら誰でもなりうる症状ですが、とくに上記のなかで気をつけなければならないのが産卵のしすぎでしょう。
インコは通常、春と秋の2回に5個ずつ産卵します。
しかし毎回産卵し続けていると、カルシウムが欠乏し始めるのです。
インコの卵はおもにたんぱく質とカルシウムで形成されており、卵を産むごとに体のなかのカルシウムが減っていきます。
結果、体内にカルシウムが不足しているのにも関わらず、続けて卵を作り殻がうまく形成されず柔らかい卵が出来上がるのです。
柔らかい卵だと、産卵しようとしてもうまく体の外にだせず卵詰まりになります。
もちろん、肥満や高齢による産卵能力の低下なども原因にあります。
しかし、いちばんの要因は産卵のしすぎでカルシウムが欠乏し柔らかい卵しか作れず、詰まってしまうことが最大の要因です。
インコの卵詰まり確認方法
インコの具合が悪い原因が卵詰まりなのか、判断するポイントは以下の3つです。
● 定期的に卵を産んでいたのに産まなくなった
● お腹を触って固いか
● 産もうとする様子があるか
ひとつずつ紹介します。
定期的に卵を産んでいたのに産まなくなった
定期的に卵を産んでいたのに、産まなくなったら注意が必要です。
そのほか、産卵し始めて1個は産んだのにそのあと産まなくなったなども卵詰まりの可能性があります。
卵の数が少なく具合が悪そうな場合は、排せつ物もしっかりでているか確認しましょう。
卵の詰まった場所によっては、排せつもできない可能性があります。
排せつができていないと、急速に体調が悪化します。
卵の個数だけでなく、インコの生活しているかごの中の様子もしっかり確認してください。
お腹を触って固いか
うずくまって具合が悪そうな様子があれば、お腹の様子を確認しましょう。
具体的には、腹部や総排出口の付近が固かったり膨らんでいたりしないかを確認します。
この際、インコが暴れたり嫌がったりしたら無理におこなわないようにしてください。
万が一、卵が割れたりするとより重症化するリスクがあります。
また卵が見えていても、自力で出せないからといって出す必要はありません。
素人が無理に出そうとすると、より悪化したり体力を消耗させたりする可能性があるからです。
固いものに触れられるようであれば、すぐ動物病院へ向かいましょう。
産もうとしているか
インコが、いきんだりしている様子があれば卵が詰まっている可能性があります。
産卵は体力を消耗する行為です。
何時間も詰まっている卵を産もうとすれば、みるみる体力はなくなっていきます。
そのため、早急な処置が必要といえるでしょう。
また、悪化し続けるといきめなくなってきます。
産もうとしなくなれば、より緊急性が高いです。
夜間であっても夜間病院を探し、すぐに診察を受けてください。
インコが卵詰まりしたときの症状
インコが卵詰まりしたときにでる、おもな症状は以下の7つです。
● 羽を膨らませる
● 呼吸が荒い
● 嘔吐
● 食欲不振
● ショック状態
● 排便障害
● けいれん
とくによくみられる症状が「食欲不振」と「羽を膨らませる」です。
なんとなく具合が悪いなと感じてから、重症化するまでの時間が卵詰まりの場合非常に短いため、上記の症状がみられたら気をつけなければなりません。
なにかしら症状があれば、前章で紹介した卵詰まりの確認方法を試してみてください。
卵詰まりの処置方法
卵詰まりを起こした場合、動物病院でも処置は保温・腹部圧迫による処置で自力産卵をなるべくさせます。
またビタミン剤やカルシウム剤を注射することもあります。
ただどうしても難しい場合は、手術をすることもあるでしょう。
とはいえ、小鳥の専門知識がない動物病院も数多くあります。
専門知識がない病院では手術ができないこともあるため、しっかりかかりつけ医を選定しておくのも大切です。
すぐに病院へ行けない場合の対処方法
インコの容体が変わったのが夜間などの場合、すぐに病院へいけないこともあるでしょう。
そこで夜間卵詰まりを起こしたときの、可能な対処方法を紹介します。
保温
室温を高くし、インコを温めると産卵しやすくなります。
28~30℃前後に設定し、自力で産める環境を整えてあげましょう。
カルシウム剤の投与
カルシウム剤を与えると、産卵がすすむ場合があります。
液体タイプなどもあるので、自分で食べに行かないと摂取できないボレー粉はおすすめできません。
水分として補給できるものなどがあれば、摂取させてください。
カルシウム剤だけでなく、ビタミン剤などもあればなお良いでしょう。
夜間病院を探す
保温をし、カルシウム剤を与えても全く進展がなかったり、より体調が悪くなったりするようであればやはり病院へ行くべきです。
ネットで「夜間 動物病院」などで検索すれば、県内に1〜2件はあります。
電話で連絡をして、行ってよいか確認しましょう。
また通常の病院でも、固定電話が転送され獣医師と繋がるような動物病院もあります。
まずはかかりつけに、電話してみても良いかもしれません。
卵詰まりの予防方法
卵詰まりの最大の予防方法は「卵を作らせない」ことです。
単独飼育で卵を産む場合は、オスだと錯覚している対象物があるはずです。
おもに飼い主さんや鏡などのおもちゃが、代表的な錯覚対象でしょう。
もし飼い主さんをオスと勘違いしているのであれば、極度なスキンシップを控えます。
そのほか、適度な運動や日光浴・夜間は暗くして眠らせるなども有効でしょう。
卵を作らなければ、卵詰まりはおこりません。
ぜひ対応してあげてください。
インコにおすすめの消臭剤3選
インコのお世話をしていると、ニオイが気になる方も多いでしょう。
そこで、インコに使用しても問題ないおすすめの消臭剤を3つ紹介します。
ニオイノンノ
100〜250倍に希釈して使用するタイプの消臭剤です。
松やカタバミ・ヒノキの100%天然エキスを使用した消臭剤で、安全。
ペットだけでなく、生ゴミやトイレ・お部屋など普段の消臭にも使用できます。
1本の価格はやや高いと感じるかもしれませんが、希釈するタイプなので通常の消臭剤に比べ長く使用できるでしょう。
引用:株式会社フローラ
きえーる ペット用
ペットが口にいれても安心な商品を探しているなら、きえーるもおすすめ。
環境微生物群を培養してつくられたバイオ消臭液で、ケージ周りのニオイをすっきり消してくれます。
口コミでも「ニオイが消える」「消臭力がすごい」と人気の商品です。
引用:Amazon
ペレッティー
次亜塩素酸ナトリウムのように、除菌消臭効果はあるのにペットには無害な消臭スプレーです。
通常の次亜塩素酸ナトリウムの場合、体に害がありますがペレッティーは経口しても問題ないのがポイント。
実際に獣医師が監修しており、動物病院でも使用されています。
口コミでは「とても良かったので続けて購入している」「消臭効果が高い」と高評価が多い商品です。
引用:Amazon
まとめ
インコの卵詰まりは、カルシウム不足によっておきる排卵障害です。
卵が詰まると、排便ができなくなる頻度が高く急激に体調が悪化していきます。
腹部や総排出口が膨らんでいたり固かったりしたら、卵詰まりの可能性が高いです。
早急に、動物病院で処置をしてもらいましょう。
夜間などで、動物病院があいてない場合はインコを保温しカルシウム剤を与え自力産卵ができるか様子をみます。
とはいえ、どんどん悪化してくる可能性もあります。
体調が悪化する様子があれば、夜間病院も視野にいれて行動してください。