うさぎに長生きしてもらう為に!知っておきたい病気の症状とサイン
2020.03.10
つぶらな瞳、柔らかな体、そして愛らしい表情。そのすべてで私たちを癒してくれるといっても過言ではないうさぎは、かけがえのない大切な存在ですね。
そんなうさぎには、いつまでも元気でいてほしいと誰もが思っていることでしょう。
そのためにはうさぎが発するSOSサインを見逃すことなく、いち早く飼い主さんが気付いて適切な対処をすることが欠かせません。
そこで、今回は、うさぎに多い病気とその症状、そしてうさぎが見せるサインを解説します。
うさぎがかかりやすい病気とそのサインの知識が飼い主さんにあれば、病気が深刻化する前にうさぎを助けてあげることができることでしょう。
こんな様子が見られたら要注意!うさぎに多い6つの病気とそのサイン
さっそくうさぎに多い6つの病気とそのサイン、そして対処法と予防法をそれぞれご説明しますね。
うさぎに多い病気①消化管うっ滞(毛球症)
うさぎに多い1つ目の病気は、消化管うっ滞(毛球症)です。
ストレスや痛み、他の部分の病気などを原因として消化管の機能が衰える病気です。
この病気にかかると、体を覆う被毛を毛づくろいした時に飲み込んだ毛が溜まって食事や排便にトラブルが起きる毛球症も発症しやすくなります。
サイン
消化管うっ滞にかかっている場合、次のようなサインがあらわれます。
• 食欲や元気がなくなる
• じっと動かない
• 糞の量が減る、あるいは糞の大きさが小さくなる
• 糞が臭い
• 糞が出なくなる
• 腹部が張ってくる
胃腸の機能が低下しているわけですから、消化がスムーズに行かなくなり、排泄物にも大きな変化が見られます。
特に便の状態に変化がみられる場合、この病気を疑ってみることをおすすめします。
対処法と予防法
• 干し草(食物繊維)をたくさん与える
• こまめにブラッシングを行う
• 運動をさせる
• かかりつけの病院で治療を受ける
消化管うっ滞(毛球症)は、食事内容に問題があったり、生活環境・習慣がうさぎに適してないことも原因です。
便に異変が見られ、あまり元気がないようでしたら、すぐに食事と生活を見直しましょう。
うさぎに多い病気②不正咬合(ふせいこうごう)
うさぎに多い2つ目の病気は、不正咬合です。
うさぎのトレードマークでもある歯は常に伸び続けています。
その歯がなんらかの原因でうまく噛み合わせられなくなると、食事をスムーズに摂ることができなくなったり、自分の歯で口の中を傷つけてしまったりします。
サイン
不正咬合が起こっている場合、次のようなサインがあらわれます。
• 食事を食べづらそうにする
• よだれを出す
• 食欲が減る
• 食事以外で口をもぐもぐ動かす
• 涙や目やにが出ている、目が飛び出している
不正咬合のサインは口元にだけあらわれるわけではありません。伸びた歯が鼻や眼球を圧迫することで目にも異変があらわれることもあります。
対処法と予防法
• 歯の伸びた部分を動物病院で切ってもらう
• おやつ類などを与えすぎない
• 主食を干し草にする
• ケージを齧らせないようにする
口の違和感はうさぎにとっても非常にストレスです。
うさぎは1日以上絶食が続くと肝臓に大きな負担がかかって病気(肝脂肪)にかかりやすくなってしまうので、食欲の有無や食べる様子、口元を常々チェックするようにしてくださいね。
うさぎに多い病気③尿路結石症
うさぎに多い3つ目の病気は、尿路結石症です。
尿路結石症とは、尿の中のカルシウムやマグネシウム、リンなどのミネラルが結晶化して消化器で結石になってしまう病気です。
特にうさぎは尿中にカルシウムが多いのでシュウ酸カルシウム結石やリン酸カルシウム結石にかかることが多いです。
サイン
尿路結石症が起こっている場合、次のようなサインがあらわれます。
• 頻尿
• 血尿
• おしっこをする時に背中をまるめて痛そうにする
• 痛みによる歯ぎしり
• 食欲不振
この病気にかかっている場合、尿の状態や量、排尿時のしぐさに明らかな異変がみられます。
対処法と予防法
• すぐにかかりつけの病院へ
• 食事の見直し
尿路結石症は放っておくとに膀胱破裂・尿毒症・腎不全など命に係わる重い病気に進行してしまいます。
尿に異変が見られ、体調も悪そうならすぐに病院で治療を受けましょう。
うさぎに多い病気④斜頸・眼振
うさぎに多い4つ目の病気は、斜頸と眼振です。
斜頸とは、首(頸)が斜めに傾いている状態が続くこと。
ある種の菌が入り込んだことによる脳の異常や内耳の感染症などが原因と考えられていますが、はっきりとはわかっていません。
この初期症状として、目が小刻みに左右上下に動く眼振が起こることもあります。
サイン
斜頸・眼振が起こっている場合、次のようなサインがあらわれます。
• いつも小首をかしげている
• 目線が一定しない
• 普通に座ったり足ったりしていられない
対処法と予防法
• 病院で治療を受ける
傾斜や眼振のサインが見られたら、すぐに病院で抗生物質の投与などの治療を受けましょう。
うさぎに多い病気⑤スナッフル
うさぎに多い5つ目の病気は、スナッフルです。
季節の変わり目や不衛生な環境、ストレスなどをきっかけに、うさぎの鼻腔や副鼻腔内に細菌が繁殖して呼吸器に異常を起こす病気の総称です。
サイン
スナッフルにかかっている場合、次のようなサインがあらわれます。
• くしゃみをする
• さらっとした鼻水を垂らす
• ねばねばした鼻水が出る(副鼻腔炎)
• 鼻を前肢で触る
• 呼吸のたびにノイズがする
対処法
• エアコンで室内の温度調整をする(気温20~25度、湿度40~65%)
• 環境(空気・お部屋・ケージ)を清潔にする
• 日光浴をさせる
• 病院で治療を受ける
スナッフルは初期だとアレルギーと間違えられやすく、軽視されがち。
ですが、ねばねばした鼻水やノイズ音がするようになると重症化しているサインなのですぐに病院で治療を受けましょう。
うさぎに多い病気⑥熱中症
うさぎに多い6つ目の病気は、熱中症です。
汗腺のほとんどないうさぎは耳から放熱して体温を調節しますが、基本的に体温調節が得意ではありません。
特にロップイヤーなど垂れ耳の種類や耳が小さな種類のうさぎにとって高温は致命的です。
体温が38度程度のうさぎはちょっと高温になるだけで大きなダメージを受けてしまいます。
サイン
熱中症にかかっている場合、次のようなサインがあらわれます。
• 体温が高い
• 呼吸が荒くなる
• ぐったりとしている
• 尿が少ない
• 心拍数が多い
熱中症のサインは人間とほぼ同じです。
気温が高くなる時期は、常にうさぎがいる場所の気温に気を配るようにしましょう。
対処法
• エアコンで室内の温度調整をする(気温20~25度、湿度40~65%)
• ケージを涼しい場所に置く
• だるそうな様子が見られたらただちにクールダウンさせてすぐに病院へ
うさぎの熱中症は致命傷になりやすいので、ぐったりした様子が見られたらすぐに病院で治療を受けましょう。
まとめ
今回は、うさぎに多い6つの病気とそのサインを対策法・予防法と合わせてご紹介しました。
大切な家族の一員となったうさぎに健康的に長生きをしてもらうために、普段から食欲や食事量・食べ方、排泄物、毛ヅヤや目の輝きなどを必ずチェックするようにしましょう。
うさぎは本来、適した環境なら10年以上も生きる動物です。
うさぎの病気は、先天的なものでない限り、うさぎに適した食事・環境を整える飼い主の努力でじゅうぶん防げるといわれています。
今回ご紹介した不調や病気のSOSサインを見逃さず、うさぎが元気に過ごせるようにサポートしてあげてくださいね。