家畜の臭いの原因５選！臭いによるデメリットや対処法もご紹介！
2025.10.21
畜産業から切っても切り離せない悩みの種が、家畜の臭いです。畜産業に従事する方はもちろん、畜舎の近くに住んでいる方も、悩んだ経験があるのではないでしょう？臭いの原因の多くは、主にアンモニアや硫化水素、メタンなどの悪臭物質です。
家畜の臭いの根本的な原因を知ることで、解決策が見つけることができます。今回は、家畜の臭いの原因や対処法についてご紹介します。
特定悪臭物質とは？
特定悪臭物質とは、悪臭防止法で定められている22種類の物質のことです。家畜を飼う際に発することが多い臭いの原因になる物質が多く含まれています。特定悪臭物質は、定められた数値を上回ると健康を害する恐れがあるとされています。
家畜を飼育している場合、複数の物質が合わさることが原因で強烈な臭いが出るようになることが少なくありません。近所からのクレームが来ているにもかかわらず、改善命令を無視すれば処罰の対象になることもあります。
家畜の臭いの原因とは？
家畜の臭いは非常に独特で、不快に思う人も少なくありません。犬や猫といった一般的なペットと違い、なぜ家畜は臭いのでしょうか？
ここでは、家畜の臭いの原因について詳しく解説します。
1.家畜の体臭
家畜が臭い＝家畜自身が臭いと考える人も多いと思います。しかし、健康な家畜の体臭はそこまで強くはありません。皮膚や口臭からの臭いは動物独特なものであっても、臭いの問題にはなりにくいと言えます。
一方で、動物の身体や皮毛に糞尿がつくと、体温で温められて強い臭いが出るようになります。劣悪な環境で過ごしていると、ストレスで排泄物の臭いが強くなることも少なくありません。
2.糞尿
家畜の臭いの原因の大半は、糞尿です。糞の中に含まれる物質が細菌に分解されることで、アンモニアやメタン、硫化水素といった不快な臭いを発するようになります。
排泄物の量が多ければ多いほど、放置している時間が長ければ長いほど臭いは強くなる傾向があります。家畜の中でも牛糞は比較的臭いが弱いとされており、鶏や豚の糞は臭いが強い傾向があるようです。
3.飼料
とうもろこしや麦などタンパク質が多く含まれている飼料を家畜に与えると、体内で分解されてアンモニアになった時に糞や尿の臭いがキツくなる傾向があります。
また放置された飼料が湿気などが原因で腐敗したり劣化したりすると、不快な臭いを発するようになります。床に水がこぼれたままにすると湿気が臭いの原因になるため、飼料の管理や水の与え方には工夫が必要です。
4.サイレージ
家畜の飼料となるサイレージ。作物を乳酸発酵させるサイレージも臭いの原因になることがあります。長期間保存できるサイレージにするたまきは、乳酸発酵が必須です。正常に発酵が進んだ良質なサイレージは酸っぱいような臭いがあっても、決して不快なものではありません。
一方でサイレージの発酵が不十分だったり原料の作物の水分量が適切ではない場合、腐敗臭のような強烈な臭いがするようになります。畜産業において、臭いが抑えられた良質なサイレージの作成は大変重要な課題と言えます。
家畜の臭いを放置した時のデメリット
家畜の臭いを放置すると、近所からのクレームがきやすくなります。アンモニアや硫化水素は、高濃度のものを吸い込み続けると頭痛や吐き気、めまいなどが引き起こされることがあります。
飼育環境が悪いと、家畜の体調不良の原因になる恐れが出てきます。近所との関係も悪化し、処罰の対象となって金銭的負担がかかるケースもあるでしょう。
家畜の臭いを抑える方法4選
家畜の臭いを抑えるためには、飼育環境や換気システムを整えることが大切です。
ここでは、家畜の臭いを抑える4つの方法について解説します。
1.こまめな掃除
臭いの原因になりやすい家畜の糞尿は、排泄されたばかりだとそこまで臭いは強くありません。時間が経つにつれてアンモニアや硫化水素が発生するため、毎日の清掃が大切になります。
特に腐敗が早くなる夏場は、1日2回以上の清掃がおすすめです。掃除をする時は、排水溝も忘れずに綺麗にしましょう。清掃用具も清潔に保ち、水気はしっかり乾燥させることが重要です。
2.敷料を敷く
敷料を敷くことで、家畜の排泄物を吸収することができます。臭いの揮発を防ぐことができ、床が濡れたままになりにくくなります。敷料の種類には、おがくずや木くず、わら、もみ殻、古紙などが一般的です。
安価で手に入りやすい敷料も多い反面、糞尿で汚れた場所はすぐに交換することが大切です。敷料の全交換も、定期的に行いましょう。
3.換気
畜舎を換気し、風通しを良くすることで湿度調整をしやすくなります。湿度を調整することで、微生物の異常繁殖を抑えることができます。換気は、自然の風の力の利用とファンを設置して強制的に空気を循環させる2種類に分けられます。
換気扇の設置はコストがかかるものの、気温と湿度のコントロールがしやすくなります。断熱材も使用することで、冬場の畜舎の保温も行いやすくなるでしょう。
4.餌の腐敗をなるべくさせない
臭いの原因が餌の場合、なるべく腐敗をさせないようにすることが大切です。腐敗した餌を家畜が食べると、糞尿の臭いが強くなる原因になります。
湿気を避けて保管したり、残った餌は早めに除去したりすることが大切です。また開封したサイレージは空気に触れると劣化が始まるため、早めに使用したり家畜に与える前に品質チェックをすることも大切です。
5.生垣を植える
家畜の臭いを抑えるために、畜舎の周りに生垣を植えることもおすすめです。風で臭いが流れていかないよう、物理的に植物でバリアを作ることで、臭いの拡散の防止や分散を期待できます。
また、植物は臭いを吸収する性質があるものもあります。美しい花が咲く種類を植えることで、季節の花を楽しむことができるでしょう。成長させる必要や維持の手間がかかる一方で、畜舎の換気や清掃と組み合わせることも大切です。
家畜の臭い対策におすすめ！ニオイノンノ
家畜の臭いを抑制するためには、消臭剤の使用もおすすめです。株式会社フローラのニオイノンノは、100%植物由来で動物の健康を守りながら消臭をすることができます。
大容量タイプもあるため、家畜の頭数が多い場合でも安心。糞尿の臭いにも高い効果を発揮します。ニオイノンノの詳細については、公式サイトをチェックしましょう！
まとめ
家畜の臭いの原因は、実にさまざまです。家畜の臭いは独特で、近所からクレームが来るケースも少なくありません。畜舎の掃除を徹底的に行っている場合でも、臭いを完全に0にすることは難しいと言えます。一方で、清掃や発酵床の適切な管理など、臭いの原因に対する適切な対処をすることで、近所との関係改善が期待できるでしょう。
