猫の目やには大丈夫?危険な色や目やにの取り方をご紹介!
2022.12.06
ふと猫の目元を見ると、目やにがついていることがあります。飼い主さんとしても「目やにがついているけれど大丈夫かな?」と思うこともあるでしょう。目やにの状態が正常なら、特に問題はありません。しかし猫の目にトラブルが起こると、目やにの量が増えたり色がおかしくなったりと異常が見られることがあります。今回は、猫の目やにが増える原因や猫に目薬を差す時の基本などもご紹介いたします。
猫の目やにとは
猫の目やには、ホコリや老廃物を排出する生理現象の一つです。涙で流れきらなかったホコリや粘液などが目やにとなるのですが、色に異常がなかったり少量だったりすれば問題はありません。しかし猫の目やには目の病気や異常があると、量や色に変化が生じます。
目やにの原因は?
猫の目やにが出る原因は、主に目に入ったホコリやゴミ、老廃物や目の粘膜から分泌される粘液などが原因です。人間が、ホコリが多い場所に行った次の日に目やにが多くなるのと同じです。しかし猫の目やには、病気やアレルギー、傷などが原因で増えることがあります。目に異常があると、目が開けられない程目やにが増えたり充血したりするなどの症状も見られるので注意が必要です。
猫の目やにに異常が出る病気
猫の目やに異常が見られる原因は、さまざまです。中には重い病気にかかっている場合もあるので、目やにだけで異常を全て判断するのは危険と言えます。猫の様子が変だと感じたら、目やに以外に他に症状がないか確認してみてください。では一般的に目やにに異常が出やすい病気には、どんなものがあるのでしょうか?
アレルギー
食べ物やホコリ、花粉などのアレルギーが原因で目やにが増えてしまう場合があります。人間と同じように猫のアレルギーにも個体差がありますが、一般的に食べ物などのアレルギーは消化器官や皮膚に異常が見られます。花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルギーだと鼻が詰まったり結膜炎になったりすることがあります。アレルギーによる結膜炎になると目の周りが痒くなるため、猫が目を引っ掻き炎症が酷くなってしまうことも少なくありません。早めに病院を受診し、エリザベスカラーをつけてもらうと猫がそれ以上目を引っ掻くのを防げるのでおすすめです。
猫風邪
急に目やにの量が増えてきたと同時にくしゃみや鼻水などの症状が見られたら、猫風邪かもしれません。猫風邪の原因の多くは、ヘルペスウイルスやクラミジアなどのウイルスや菌の感染によるものです。たとえ猫を外に出していなくても、飼い主さんが外から持ち帰ってきたウイルスに感染してしまう可能性も考えられます。近年SNSで人気の猫のお散歩でも感染する恐れがあります。
ドライアイ
先天的、病気、怪我などの何らかのトラブルが原因で、目を覆う粘液が十分に分泌されず目の表面が乾いてしまう病気です。白目の充血やネコが目を気にする、痛がるなど結膜炎や角膜炎と似たような行動が増えるのが特徴です。怪我や病気の予防はもちろん、猫は高齢になると涙の分泌量も減るので普段から気をつけてあげましょう。
流涙症
本来涙が分泌されると、目から鼻にかけての鼻涙管(びるいかん)というものを通って出てきます。しかし鼻涙管に異物が入るなどして詰まってしまうと涙が鼻から排出されることができなくなるため、目から溢れ出し鼻までをも濡らしてしまうようになります。涙の分泌量そのものが増えることもあるので、注意が必要です。
結膜炎
瞼の裏にある結膜という粘膜が異物の侵入、ウイルス感染、アレルギーによって炎症を起こしてしまう病気です。結膜炎になると、猫が目を痒がったり白目が充血したり目やにや涙が増えるなどの症状が見られます。細菌性結膜炎では、片目だけ目やにや涙が多くなることが少なくありません。反対に花粉や食べ物などによるアレルギーが原因の場合は、両目に結膜炎の症状が見られることがほとんどです。
角膜炎
角膜と呼ばれる目の表面を覆っている透明の膜に炎症が起こる病気です。ウイルスや細菌感染だけでなく、目に異物が入ったり喧嘩や自分で引っ掻いたりした時にできた傷が原因で起こります。角膜炎になると、猫がしきりに目を気にしたり眩しそうに眼をしょぼしょぼさせたりするといった行動が増えます。放置しておくと角膜に穴があき視力が低下する原因にもなるので、早めに動物病院で処置をしてもらうことが大切です。
病院に行くべき目やにって?
猫の目やにの色は、本来茶色っぽい色をしています。目に少しつく程度や目の周りが若干濡れているくらいだったら正常です。目やにに異常が見つかっても、適切な処置を施せば改選することがほとんどです。
● 目やにの量が多くて目が開けられない
● 色が黄緑色や黄色
● 血が混じっている
● ゼリー状になっている
● 目やにが出続けている・増えている
● 片目だけひどい
● 目やに以外にもくしゃみや咳などの症状が見られる
目やにに上記の症状が見られる場合は、何らかの目に異常が生じている可能性が高いです。気付いたら、できるだけ早くかかりつけの動物病院に相談してみましょう。
生後間もない子猫の目やにには注意が必要
生後間もない子猫は、みんな目を閉じておりお母さん猫のおっぱいを飲んで成長することで徐々に目が開いていきます。子猫の目が開くのは、生後1週間〜10日です。しかし生後10日を過ぎたのにまだ目を開けない場合は、目やにが原因で開けられない可能性が高いと言えます。生まれたばかりの子猫は、新生子眼炎や細菌感染の結膜炎によって目やにが増えてしまうことが少なくありません。もし生後10日を過ぎても子猫が目を開けなければ、目のトラブルを抱えているかもしれません。
目やにが出やすい猫の品種
ペットとして飼われている猫の中でも、特に鼻が短い鼻ぺちゃの猫は目やにが多くなりやすいと言われています。一般的な鼻が長い猫よりも鼻涙管が短いため詰まりやすく、涙が溢れやすい傾向があるからです。ペルシャやヒマラヤン、ブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどは日頃から目やにが増えてないかどうか気にかけてあげましょう。
家庭でできる猫の目やにの取り方
正常な目やになら、放置しても問題はありません。しかし目の周りが汚れていることが気になる飼い主さんも多くいます。目は繊細な器官なため、目やにを取る時には注意が必要です。家庭で目やにを取る時には、以下の手順を守りましょう。
①目やにをふやかす
時間が経った目やには固まって取りにくい状態です。まずぬるま湯に浸したガーゼやコットンを絞り目やにがある部分に当てて、しっかりとふやかしましょう。
②柔らかいコットンやガーゼで丁寧に目やにを取り除く
目やにが柔らかくなって取れやすくなったら、毛の流れに沿ってガーゼを滑らせるようにして目やにを取り除きます。毛の流れに逆らうと目やにが毛に絡みついてしまうので注意が必要です。
③目の周辺に残った水分を拭き取る
目やにが綺麗に取れたら、最後に残った水分を拭き取ってあげましょう。作業中に猫が暴れないように、撫でたり声かけをしながらスムーズに行うことが大切です。
ティッシュなどでゴシゴシと擦るのはNG
猫の目やにを取る時、近くにあるティッシュや指でゴシゴシと強く擦ってはいけません。強く擦ると目や目の粘膜が傷ついてしまう恐れがあります。猫も痛い思いをしてしまうので、そっと優しく取り除いてあげましょう。また、猫を抱き抱えて目やにを取る時に飼い主さんが必要以上に緊張すると猫にも伝染します。目やにを取る際は体を無理に押さえつけるようなことはせず、できるだけリラックスした状態で行いましょう。
基本的な猫の目薬の差し方
目やにが多くなると、目のトラブルが心配で動物病院を受診することがあると思います。受診後、目薬をもらうかもしれません。その際、「猫にちゃんと点眼できるだろうか」と不安に思う飼い主さんも多いでしょう。では上手に猫に目薬を差す時、どんなことを心がければ良いのでしょうか?
①猫が動かないように後ろから抱っこする
目薬は冷蔵庫に入れて保管している人も多いので、取り出した直後はひんやりと冷たくなっています。いきなり冷たい液体を目に入れられては猫もびっくりするので、目に差す前に少し握って温めてあげると猫も安心できるでしょう。猫に目薬を差す時は、まずイスなどに座り猫を後ろから抱っこして猫を足の間に挟んで固定します。暴れるようであれば、バスタオルに包んで顔だけ出した状態で抱きかかえましょう。
②猫に気付かれないような後ろから目薬をさす
抱きかかえたら、片手で顎を押さえながら顔を少し上向かせます。可能なら瞼を引き上げて、猫に気付かれないように後ろから目薬を差します。上まぶたと白目の間くらいに落とすとしっかりと薬が目に広がります。目薬を差す時は、眼球に当たらないように目から1㎝程離して目薬を差しましょう。両目に目薬を差す場合、もう片方の目も同じように行います。
③目の周りについた薬をガーゼなどで拭き取る
目薬を差し終えたら、目の周りについた薬をガーゼなどでそっと拭き取ります。拭き終わったら頑張ってくれた猫をたくさん褒めてあげましょう。おやつをあげたりおもちゃで遊んであげたりすると、喜んでくれるはずです。
まとめ
生理現象である猫の目やには、少量で色に異常がなければ大きな心配はいりません。しかし目が開けられないほど目やにが増えたり目やに以外の症状が見られたりする場合は、病気の可能性があるので早めに動物病院で診てもらいましょう。病気は、早期発見と治療が何よりも大切です。目の健康を守るために目薬を差す時もなるべく猫が安心できるよう、気付かれないように行うことが大切です。普段から猫の目を労りケアをすることで、猫の健康を守り一緒に健やかな日々を送りましょう。