カエルは人になつくの?気になるなついた時の行動とは?
2023.05.09
愛らしいフォルムでペットとしての人気が高まっているカエル。スペースを取らないため、飼育したいと考えている方も多いでしょう。種類も豊富で個性もさまざまなカエルですが、飼い主さんになつくかどうか気になりますよね。今回は、カエルは人になつくのか?またなついた場合どんな行動をするのかをご紹介いたします。カエルと良好な関係を築くためにも、まずはカエルとの距離の詰め方を知ることが大切です。
ペットとして人気が高まっているカエル
キュートな顔と姿が魅力的なカエルは、近年ペットとしての人気が高まっています。種類も豊富でスペースを取らず、騒音も少ないことから集合住宅でも飼いやすいと言えるでしょう。少し前までは難しかった詳しい情報や実際の飼育の様子も、SNSやYoutubeなどに投稿されるユーザーが増加したことで簡単に集まるようになりました。動物好きならつるりとしたフォルムが可愛らしいカエルを1度は飼ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか?
カエルに感情はあるの?
犬や猫、ウサギなどのペットとして確固たる地位を築いている動物は、自身の感情を表現することができます。一方でカエルに感情はなく、本能に従って行動すると言われています。カエルは体が小さい分脳も小さいため、感情はないのではないか?と科学的に考えられているのです。
しかし、実際に「カエルに感情はないのか?」という問題には「わからない」としか言いようがありません。誰も実際にカエルになったりカエル自身にインタビューをして聞いたりしたわけではないからです。カエルから見る広大な世界や体験を想像すると、どんなことを感じているのだろうと思わずにはいられませんよね。
カエルは人になつくの?
カエルは社会性を持たない動物であるため、ペットとして飼っても人になつくのは難しいとされています。オタマジャクシの頃は群れで泳いでいるため一見社会性があるように見えますが、あれは大勢で泳ぐことで少しでも天敵から身を守ろうとしているだけです。
他のカエルと協力をしたりコミュニケーションを取るわけではないので、犬やインコのように人に好意を示したりするといった行動を取ることは難しいと言えます。ただなつくことは難しいカエルでも、献身的に自分のお世話をしてくれる飼い主さんに慣れることはできます。
カエルが人になつくとどんな行動をするの?
カエルはこの人は自分に危害を加えない、むしろ定期的に餌をくれると判断し信頼した飼い主さんに対してなつくのと同じような行動を見せてくれます。本来カエルは好奇心旺盛の種類が多く、アマガエルなどは自ら人に近寄ることもあるほどです。では実際にカエルが人になつくとどのような行動をするようになるのでしょうか?
逃げない
お迎えしたばかりでまだ飼い主さんに慣れていないカエルは、逃げ回ります。しかし献身的にお世話をすることでなつくと、逃げなくなります。エサをあげる際には自分から近づいてきて待ったりスマホで写真を撮ろうとしたりしても身を隠さなくなることが増えるのです。
カエルが逃げなくなると非常に嬉しいものです。大切にしている思いが届いたと感動してしまうでしょう。
ハンドリングができる
ハンドリングとは手乗りのことです。カエルが飼い主さんになつくと、手や指に乗せることができるようになります。ちょこんと指に乗っている様子は、いつまでも見ていたくなるくらい愛嬌に溢れています。カエルが好きな方にはたまらないでしょう。
つぶらな瞳でじっとこちらを見ているのを眺めていると、「何か伝えたいことがあるのかな?」と思わずにはいられません。エサをあげる時には、自ら手の上に乗ってきてくれることもあります。
またカエルを多頭飼いしていると、先に手に乗っていた仲間を押し除けてまで自分が飼い主さんに構ってもらおうとする様子を見ることも少なくありません。ここまで信頼されるともはや慣れるよりも、なつくと言った方が正しいのではないか?と感じる程です。
手ずからエサを食べてくれる
カエルが食べるエサは、基本的にコオロギといった生きた虫です。慣れないうちは難しいですが、飼い主さんになつくとピンセットから直接食べてくれるようになります。人なつこい子によっては、エサには見向きもせず飼い主さんの指に噛みついて甘えるような仕草をすることもあるようです。微笑ましくなること間違いなしですね。
意思表示をする
カエルが飼い主さんになつくと意思表示もするようになります。ピンセットでエサをあげる時に手で払いのけて「いらない」アピールをしたりするようになります。逃げずにそういった行動をするのは、飼い主さんに慣れたからこそ見られる光景と言えるでしょう。
カエルを触る時の注意点とは
世界中で約7000種確認されているカエルは、ハンドリングもできるようになる種類もいるためペットとしての需要が非常に高まっています。せっかく飼うならスキンシップやコミュニケーションを取りたいと望む飼い主さんも多いでしょう。しかし、犬や猫とは全く違うカエルを触る時には注意が必要です。大切なカエルを傷つけないためにも、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?
火傷をさせないようにする
飼い主さんがカエルを直に触り続けると、カエルが低音火傷をする恐れがあります。両生類であるカエルの体温は、人間と比べると非常に低いのが特徴です。36〜37℃もある人間と比べるとカエルの体温は20℃〜27℃程度しかありません。周囲の気温から影響を受けるカエルの体温は、外気温とほぼ同じかもしくはやや低いくらいなのです。
人間と比べると15℃近く違うカエルにとって、人の手は少々熱すぎる状態です。カエルを触り続けることは、人間にとって50℃以上あるお風呂に入り続けることと変わりません。入り続けるのは不可能ですよね。
また、カエルの皮膚は非常に傷つきやすい粘膜に覆われています。カエルは哺乳類や鳥類と違い自分で体温調節ができないため、飼い主さんが触り続けるのは危険と言えるのです。特になついたカエルをハンドリングしている際、ジワジワとお腹の部分に熱傷を起こしてしまっていることを忘れてはいけません。触られて火傷をしないカエルはいません。もし触る時は十分水で手を冷やし、絶対に長時間触らないようにしましょう。
ご飯の時以外は触らない
カエルがなつく最大のタイミングは、エサを与える時です。同じ飼い主さんが同じタイミングで繰り返しエサを与えるとカエルも覚えてくれます。
最初は逃げてしまうため、エサを水槽内に入れて様子を見ましょう。存在に慣れてくれれば、ピンセットから直接エサを食べるようになります。「ご飯をくれ」とせがむようになれば、とても可愛く愛おしくなります。
絶対に焦らない
カエルが人になつくためには、時間が必要です。絶対になかなかなついてくれないことに焦って、水槽を覗き込んだりしつこく声かけをしたり無理に触ろうとしてはいけません。お互いの生活に干渉せず、「いつかハンドリングできれば良いな」くらいのスタンスが丁度良いと言えます。
可愛いカエルですが、犬や猫とは全く違うことをきちんと理解しましょう。カエルのストレスにならないように、適切な距離感を保ちながら徐々に縮めていくことが大切です。
カエルを触ったら必ず手を洗おう!
カエルは湿地帯という非常にカビが生えやすい場所に生息しているため、皮膚から分泌される物質に毒素が含まれていることが多くあります。ペットとして人気のあるニホンアマガエルも病原性細菌や真菌に対して抗菌作用のある「抗菌ペプチド」と呼ばれるアミノ酸の一種を分泌します。
抗菌ペプチドが付着した手で目を擦れば炎症が起き、傷がある手で触ると治りが遅くなる恐れがあります。カエルを触ってはいけない、というわけではありません。しかし触った後は、必ず速やかに手を洗うことが大切です。また手や指に傷がないかどうか、事前に確認することも重要です。
まとめ
カエルをペットとして飼っても、人になつくわけではありません。しかし飼い主さんが決まったタイミングでエサを与え怖がらせないように接すれば、カエルも人に慣れて可愛い行動を見せてくれるようになります。ハンドリングやエサをねだるために自分から近くに来てくれるようになると、ますます愛しくなるでしょう。達成感もすごいはずです。カエルが少しでも飼い主さんになつくように、カエルのプライバシーを守りお世話をしましょう。