ハリネズミの病気にはどんな種類があるの?早期発見と予防法とは

ハリネズミの病気にはどんな種類があるの?早期発見と予防法とは

2023.02.14

近年ペットとして人気のあるハリネズミは、鋭いハリを持つ姿とは対照的に非常に臆病でデリケートな動物です。そんなハリネズミがかかりやすい病気にはどんなものがあるのでしょうか?今回は、ハリネズミがかかりやすいとされる病気について詳しく解説いたします。事前に知識として知っておくことで、予防もできるようになりますよ!

ハリネズミに多い病気とは?

ハリネズミに多い病気とは?

ハリネズミは非常にデリケートな動物なため、さまざまな病気にかかりやすいとされています。では、具体的にどんな病気にかかりやすいのでしょうか?

皮膚病

体にハリのあるハリネズミですが、皮膚はとても繊細です。多くのハリネズミがかかる病気の一つに皮膚病があります。乾燥やアレルギーなどハリネズミによって皮膚の痒みやただれなどのトラブルには個体差がありますが、中でも皮膚病の原因として多いのがダニによるダニ症です。
ダニ症はダニによって起こる皮膚の異常で、ただれや痒み、フケ、ハリが抜けてしまうなどの症状が見られます。ハリネズミの抵抗力が弱まったのをきっかけに活動し始めるダニもいます。食欲不振などの症状も見られ、増殖すると肉眼で確認できるようになるでしょう。
ハリネズミに寄生するダニの感染経路はさまざまで、人が持ち帰ってきてしまった場合や他のハリネズミやペットとの交流、野外に出す、高温多湿、ミールワームからの感染などがあります。ダニよるハリネズミの皮膚病は、年齢関係なく感染する恐れがあるので普段から注意が必要です。
またダニ症と同じく、細菌などに感染した皮膚炎にも注意が必要です。強い痒みを伴うのでハリネズミの様子がおかしいと感じたら、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。

歯周病

ハリネズミは歯の病気にもかかりやすいと言われています。中でもハリネズミに多いのが、歯周病です。人間と同じく口の中の健康バランスを整えるために、ハリネズミの口腔内には常在菌が存在します。食べカスなどで口の中のバランスが崩れると、歯周病や歯肉炎などの病気になりやすくなるのです。
歯の病気にかかると口臭が臭くなる、歯の変色、歯茎が腫れる、歯がグラグラするなど一般的な歯周病と同じ症状が見られます。悪化すると歯が抜けてしまうこともあるので、ハリネズミが口元を気にするようになったら一度かかりつけの獣医に診てもらうと良いでしょう。
ハリネズミは顎の力が弱いため、柔らかいフードを与える頻度が増えたことが歯周病の原因とされています。ハリネズミの好物であるドライフルーツも柔らかいものは歯にくっつきやすいため、頻繁に与えるのはおすすめできません。噛むおもちゃや固いドライフルーツをあげるだけでも歯周病予防になるので、ぜひ実践してみましょう。

ペットの健康維持にペットにも使えるHB-101
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腫瘍

腫瘍

多くのハリネズミがかかりやすい病気の中でも厄介なのが、腫瘍です。ポコっと皮膚が盛り上がることがあるので、スキンシップをしている時に飼い主さんが気づくこともあります。
腫瘍にも良性と悪性があり、良性のものはハリネズミの体から栄養を奪い取ることもないため切除すれば転移はしません。しかし悪性の腫瘍は、正常な細胞も侵してどんどん増殖するため切除しても再発するリスクが非常に高いという特徴を持っています。
3歳以上のハリネズミの多くに腫瘍ができると言われています。腫瘍ができる場所は、皮膚や乳腺、リンパ、口腔内や子宮などです。体重が減ったり元気がなくなったりすることもあるので、不安に思ったら獣医に相談してみましょう。

ふらつき症候群もしくはプルプル症候群(WHS)

ふらつき症候群は、ハリネズミがかかる神経の病気です。後ろ足がふらふらしたり震えたりすることから始まり、徐々に手足が動かなくなっていきます。症状が悪化すると、体を動かせなくなるため食事や排便を自力で行うのが困難になり衰弱していきます。
ふらつき症候群は、原因が解明されていない難病です。2歳以下のハリネズミが発症しやすいとされており、ほとんどの場合が1~2年程で死に至ります。治療法もないため、もしふらつき症候群を発症したら最期まで少しでも穏やかな生活が送れるようにすることが大切です。獣医としっかり相談し、後悔のない日々を送れるように努めなければなりません。

便秘や下痢

便秘や下痢

自然界で暮らすハリネズミと違い、運動不足になりやすいペットのハリネズミは便秘や下痢といった病気にもかかりやすいと言えます。水分不足に陥ると糞がカラカラになり、排せつが困難になります。いつまでも排便ができなければ腸内バランスが乱れて食欲が落ちるため、抵抗力も低下し感染症にかかりやすくなってしまうでしょう。ハリネズミの食欲がなくなると、可愛いふっくらとした体もやせ細ってしまいます。
またふやかしたエサをいつまでもケージの中に入れておくと腐ってしまうため、下痢の原因となります。冬はハリネズミ用のペットヒーターを入れている場合が多いので、腐敗はさらに加速しやすくなります。食べていなくてもハリネズミが病気になるのを防ぐために、エサはこまめに取り替えるようにしましょう。
またお部屋に放して運動している間に落ちていたゴミなどを誤飲することがあります。お腹に溜まり続ければ腸閉塞になることがあるので、注意が必要です。ハリネズミの糞は、健康のバロメーターです。調子が悪そうだと感じたら、自己判断せず獣医に診てもらうことが大切です。

脂肪肝

人間同様ハリネズミも高カロリーな食べ物ばかりを食べていれば、内臓に脂肪がたまり脂肪肝という病気になります。適切な処置をせずに放置すれば肝硬変や肝炎になる恐れがあり、病状が悪化するとハリネズミに黄疸や腹水などの症状が起こるようになります。
脂肪肝は、なるべく早い発見と予防が何より重要です。悪化すると食低が低下しどんどん衰弱していきます。高齢のハリネズミであれば、心臓に負担がかかるため手術のリスクも高くなるので放置は厳禁です。
おやつを食べるハリネズミの姿は可愛いものですが、与えすぎは肥満の元です。栄養バランスが良い食事を普段から心掛けることが大切になります。

夏眠・冬眠

ハリネズミは、気温の変化にも敏感な動物です。病気とは少し違いますが、気温の管理を怠れば夏眠や冬眠をしてしまうことがあります。ハリネズミが過ごしやすいと言われる気温は、24〜29度です。30度を超えると夏眠をし、20度を下回れば冬眠をする恐れがあります。
どちらも長期間にわたって眠るため、人間の飼育下にいても蓄えをしていない状態で眠ってしまえば餓死する可能性があります。発見が遅れれば、ハリネズミの命に関わるので注意が必要です。
夏眠をしてしまった時は、すぐに涼しい場所に移し冷やした濡れタオルでハリネズミを包みましょう。少しずつ体温を下げたら、できるだけ早く動物病院で診てもらうことが大切です。また、たとえ夏眠をしていなくても、30度以上ある環境はハリネズミにとって好ましいとは言えません。熱中症や脱水に陥りやすくなるので、どちらにしても過ごしやすい環境に移動させることが大切です。
冬眠をしてしまった時は、ヒーターなどで少しずつ体を温めてあげてからハチミツ水を与えましょう。冬眠の場合も夏眠同様、できるだけ早くかかりつけの動物病院で診てもらうことが大切になります、

ハリネズミの病気は早期発見と治療が大切

ハリネズミの病気は早期発見と治療が大切

ハリネズミの病気は、早期発見と治療が大切になります。病気の中には症状が悪化すると重篤な状態に陥るものも少なくありません。発見が早くすぐにでも治療が行えれば、早々に完治する可能性も十分にあります。
またペット保険に入っていないハリネズミが病気になった場合、治療が長引けば長引く程治療費もかさみます。長期化すれば、ハリネズミも飼い主さんも大変です。可愛く癒しを与えてくれるハリネズミに少しでも長生きをしてもらうためにも、病気の早期発見と治療が大切なのです。

ペットの健康維持にペットにも使えるHB-101
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ハリネズミを飼育する際の注意点

ハリネズミを飼育する際の注意点

ハリネズミがかかる病気の中には、環境に起因しているものも少なくありません。
ハリネズミに健康的な生活を送ってもらうためにも適切な温度管理や飼育環境、栄養バランスが整ったエサの準備が大切になります。普段からの飼い主さんとのスキンシップを通してハリネズミの体に異常がないかどうか、こまめなチェックも重要です。
ハリネズミが病気になった時、飼い主さんができることはとても少ないのが現実です。またハリネズミは自分から「痛い」「ここが変」などの病気による不調を自分からアピールできないので、飼い主さんに気付いてもらうことが全てになります。

まとめ

まとめ

ハリネズミの病気には、皮膚や循環器、消化器系などさまざまなものがあります。予防ができる病気も多いので、普段から抵抗力をつけ病気になりにくい環境を整えることが大切になります。ハリネズミは、人間のように話すことはできないため飼い主さんが早期発見と治療をすることが重要です。ハリネズミの健康を気遣うことは、ハリネズミの長生きにも繋がります。

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