要注意!フェレットがかかりやすい13の病気と症状
2023.08.15
愛らしい容姿と活発で明るい性格でペットとしても人気が高いフェレット。フェレットの平均寿命は8~10歳といわれており、犬や猫と比べるとその寿命は短いと感じられるかもしれません。ケガはもちろん、さまざま病気にかかることが知られており、年齢が上がるにつれて動物病院に通う頻度が増えていくことがあります。大切な家族の一員でもあるフェレットとできるだけ長い時間を過ごしたいものです。フェレットがかかかりやすい病気や症状について知り、早期発見や早期治療につなげることが重要です。
要注意!フェレットがかかりやすい13の病気と症状
1.熱中症
熱中症とは、気温や湿度が高い環境で体温の調整がうまくいかず、めまいなどさまざまな症状が起こる状態です。フェレットは体内に体温調節機能がないため、熱中症はかかりやすい病気の代表例といえます。症状が重い場合、神経症状や腎不全などの後遺症が残ったり、命を落としてしまう危険性があります。気温が28度を超えるような日は、部屋の温度や湿度を調整してフェレットが快適に過ごせるようにする必要があります。
2.インフルエンザ感染症
インフルエンザ感染症とは、インフルエンザウィルスに感染して起こる病気です。フェレット同士だけでなく、人間からフェレットにも感染します(人獣共通感染症)。人間と同じように、感染すると目ヤニや鼻水、せきやくしゃみ、発熱などの症状がみられます。感染している人間やフェレットとの接触を避けるようにしましょう。
3.白内障
白内障とは、目の中にある水晶体が白く濁ってしまい、最悪の場合失明してしまう病気です。老化現象の一つとしても知られている病気ですが、遺伝性の理由で低い年齢で発症する場合もあります。完全な予防は難しいですが、後天的な白内障の予防のために栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。日頃からフェレットの目を観察し、目が白いことに気が付いたらできるだけ早くに動物病院を受診しましょう。
4.耳ダニ症
耳ダニ症とは、ミミヒゼンダニというダニが耳の内側の皮膚の表面に寄生することが原因で起きる病気です。炎症の範囲が深部まで広がると、中耳炎や内耳炎にまで進行する可能性があります。症状が進行すると真っ黒な耳アカがみられます。また炎症がひどくなるにしたがいかゆみを生じるため、フェレットがしきりに耳を後ろ足でひっかいたり、頭を頻繁に振ったりするときは要注意です。日頃からケージを清潔に保つようにしましょう。
5.歯肉炎・歯周病
人間と同じように、フェレットも虫歯になります。歯に食べかすが付着した状態を放置すると歯垢から歯石となり、歯肉炎や歯周病を引き起こします。フェレットは1日に少量の食事を何度も食べる習慣があるため、結果的に歯に食べかすがついた状態になりやすいため、歯肉炎や歯周病になりやすいといえるでしょう。フェレットがうまく食事を食べられなくなったり、食欲の減退や歯茎の腫れがみられた場合は、早めに動物病院で診察してもらう必要があります。日頃から口腔内の清潔を心がけることが大切です。
6.腸閉塞・毛球症
腸閉塞とは、消化器系の働きが停滞し、腸に通過障害がおこる病気です。フェレットに多い原因は、異物を飲み込んでしまうことですが、毛づくろいの際に被毛を飲み込み、胃の中に毛玉を作ること(毛球症状)でも起こります。嘔吐や食欲不振、便が出ないなどの症状には注意が必要です。また、腹部にガスが溜まると痛みを伴うため、腹部への接触を嫌がる様子がみられることがあります。
7.副腎疾患
腎臓の近くにある副腎という器官が腫瘍化や肥大化しエストロゲンなどの性ホルモンが過剰に分泌されることで、さまざまな症状を起こす病気です。典型的な症状としては、臀部やしっぽの左右対称性の脱毛、皮膚のかゆみや体重減少があります。メスの場合は外陰部の腫れや乳頭の発赤などが見られます。完全な予防法はありませんが、前述したような症状がみられた場合は早めに医療機関に受診しましょう。
8.インスリノーマ
インスリノーマとは、脾臓にはるインスリン分泌に作用する細胞が腫瘍化し、過剰にインスリンが分泌されることで低血糖(血糖値がさがってしまう状態)を引き起こす病気です。初期症状としては活気がなくなったり、反応が鈍くなったり多量のよだれをながしたりすることがあります。さらに進行するとけいれん発作や昏睡状態になったり、失明に至る場合もあるため、早期発見・早期治療が重要です。
9.フィラリア病
フィラリア病は、犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)という寄生虫が、心臓や肺動脈に寄生することで引き起こされる病気です。感染している動物の血を吸った蚊に吸血されることで感染します。感染すると重症化しやすく、治療が難しい病気です。胸やお腹に水がたまってしまう心不全により、活気がなくなる、運動を嫌がる、頻繁に咳をする、疲れやすくなるという症状がみられます。感染した場合、フェレットは体が小さく外科手術で駆除することはできません。予防薬の投与によりほぼ確実に予防ができるため、予防接種をすること、蚊が発生しやすい環境を作らない・近づかないことが大切です。
10.ジステンパー感染症
ジステンパー感染症とは、犬ジステンパーウィルスに感染したことで、さまざまな症状がみられる病気です。一旦感染すると、フェレットにおける死亡率はほぼ100%といわれています。感染して7~10日の潜伏ののちに発症し、症状としては発熱や食欲の減退、鼻水や目ヤニがみられます。その他にも手足の肉球が硬化したり、水疱や紅斑などの皮膚症状も起こります。症状が進行すると眼球震盪(がんきゅうしんとう)などの中枢神経症状が現れ、やがて死に至ります。ワクチンを予防接種することが唯一の予防策。しかしながら予防接種によりアレルギー反応が出現することもあるため、医療機関と相談のうえ慎重に行いましょう。
11.ミンクアリューシャン病
ミンクアリューシャン病とは、パルポウィルスの感染によって起こる病気です。感染しても目立った症状がないことが多く、免疫力が徐々に低下し、他の病気にかかりやすくなります。感染が進むと元気がなくなり、体重の減少や下痢、黒色便(便が黒くなる)、後ろ足の脱力などがみられます。感染したフェレットに近づけないようにすりとともに、定期的に血液検査を受けることを心がけましょう。
12.尿石症
尿石症とは、腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器で結石ができる病気です。一般的な症状としては頻尿や尿もれ、血尿、発熱、食欲不振などがあがります。尿が全くでない状態(尿道閉塞)は尿毒症や膀胱破裂の危険性があるため、一刻も早く動物病院で診てもらいましょう。
13.リンパ腫
リンパ腫とは、白血球の一つであるリンパ球ががん化する病気です。リンパ腫に侵された部位によって、元気がなくなったり、体重の減少、リンバ腫の腫れ、苦しそうな呼吸や腹部症状(嘔吐や下痢)などの症状があります。発症した部位により症状が異なります。完治は望めませんが、早期発見によりガンの進行を抑える治療が可能です。
まとめ
フェレットがかかりやすい病気について、代表的な例をご紹介しました。フェレットが健康で長く暮らすためには、定期的な健康チェックや予防接種、栄養バランスの整った食事が大切です。。そして何か様子が変だと感じたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。