犬に反抗期があるって本当?時期や効果的な接し方とは
2022.11.22
意外なことに犬にも反抗期があります。ある日突然飼い主さんの言うことを素直に聞かなくあったり反抗的な態度が目立つ様になったりしたら、反抗期が来た可能性があります。反抗期時の犬は指示に従わなくなるだけでなく、警戒心が強くなったり粗相が増えたりするので注意が必要です。飼い主さんも困ることが多くなる犬の反抗期ですが、いつ頃から始まるのでしょうか?今回は犬の反抗期に多い行動や飼い主さんの接し方を解説いたします。
犬にも反抗期がある!期間と原因は?
犬にも反抗期があることがわかっています。反抗期が来る時期は小型犬の場合は生後4か月から6ヶ月、大型犬の場合は生後9ヶ月から12ヶ月の間に来ることが多いようです。次期的にオスはマーキングを始める時期であり、メスは発情期を迎えてからになります。オスの場合、メスよりも性ホルモンの影響で攻撃的になることが多いようです。個体差はあるものの、多くの犬は12ヶ月を過ぎると再び飼い主さんに対して従順になるとわかっています。
反抗期にはどんな行動が増えるの?
人間の反抗期と言えば、何を言われても腹が立ったり言うことを聞きたくないと思ったりする時期です。自我が生まれ自分の行動を邪魔されたくないと思うことも多くなるでしょう。犬の反抗期も飼い主さんに対して反抗的になることが増えます。では実際に反抗期を迎えた犬は、どんな行動を取るのでしょうか?
反抗的・攻撃的になる
反抗期を迎えた犬は、それまで素直に聞いていた指示を聞かなくなることが増えます。いくら「おすわり」や「待て」をしても、そっぽを向いたりどこかへ行ってしまったりするのでびっくりするでしょう。ただ言うことを聞かないのは飼い主さんだけで、見知らぬ人の言うことは聞くことが多いようです。
飼い主さんは、言うことを聞かないからと諦めてはいけません。すぐに諦めてしまうと、犬は「言うことを聞かなくても大丈夫なんだ」と間違ったことを学んでしまいます。待てができなければ、人に飛びついたり道路に飛び出したりする恐れがあるので反抗期の間もしっかりと言い聞かせましょう。
こだわりが強くなる
反抗期の犬は、いつも遊んでいるおもちゃなどに対してのこだわりが強くなります。邪魔だからとどかそうとすると、怒ることも珍しくありません。食べ物へのこだわりも強くなるので、ドッグフードを食べなくなることもあります。飼い主さんは心配に思うかもしれませんが、代わりにおやつをあげるとわがままを増長させたり栄養が偏ったりしてしまうだけなのでNGです。ドッグフードを食べないのなら、量を減らすなどして様子を見てみましょう。
トイレの失敗が増える
反抗期の犬は、ホルモンバランスが崩れている状態です。不安定になるだけでなく、粗相も増えます。トイレトレーニングをしっかり行っていても粗相をしてしまう時はしてしまうので、注意が必要です。犬によっては留守番などが嫌で、わざと粗相をする子もいます。叱る時は簡潔に短く「ダメ!」と言うことが大切です。犬の粗相は後処理が大変なため、飼い主さんが怒りたくなるのも理解できます。しかし長々と説教をして怒っても、犬は何で怒られているのかわかりません。
またトイレを覚えている途中の犬に対して叱るのも、逆効果なので叱るのは止めましょう。最悪室内でトイレをすること=悪いことだと覚えてしまいます。オスの場合は、マーキングのためにお部屋のいたるところでおしっこを引っかけることが増えます。対策を講じましょう。
警戒心やテリトリー意識が強くなる
反抗期の犬は、警戒心やテリトリー意識も強くなります。掃除をしようとお気に入りのスペースから動かそうとするだけで、唸ることが少なくありません。以前は全く気にしなかった来客や散歩中にすれ違った犬に向かって必要以上に吠えることもあります。散歩コースを変えたり時間帯をずらしたりしてなどして事前に回避する方法を考えましょう。特に子犬の時に社会性が身に付かなかった犬は、必要以上に恐怖心が増長されることがあるため反抗期に入って警戒心が強くなってしまう傾向があるようです。
犬の反抗期ではどんな接し方をすべき?
犬が素直に言うことを聞かなくなったら、反抗期かもしれません。警戒心や恐怖心が刺激される不安定な時期のため、犬との接し方に悩む飼い主さんも多くなります。しつけもどうしたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?反抗期を迎えた犬への正しい接し方をご紹介いたします。
指示に従ったら褒める
反抗期の犬は、中々素直に言うことを聞いてはくれません。犬自身も荒れているため時には飼い主さんに向かって唸ったり噛んだりしてきますが、頭ごなしに叱るのはNGです。中々思い通りにいかないかもしれませんが、反抗期の中でも犬が言うことを聞いた時は目いっぱい褒めてあげることが大切です。
反抗期は、恐怖心が強まる一方で次第にそれが自信に置き換わる期間でもあります。飼い主さんから褒められる行為は、犬にとって自信につながります。たとえもうしばらく反抗期が続いても、飼い主さんが自分に寄り添い褒めてくれたという事実を犬は忘れません。反抗期は、ずっとは続きません。いずれ終わりが来る、と思うことで静かに見守ることができるでしょう。
威嚇や攻撃をされてもうろたえない
こだわりやテリトリー意識が強くなる犬の反抗期では、威嚇をされたり攻撃をされたりすることも珍しくありません。威嚇をされたり噛みつかれたりすればびっくりするかもしれませんが、毅然とした態度でうろたえないことが大切です。叱りたくなるかもしれませんが、グッとこらえて温かい目で見守りましょう。犬が威嚇したり噛んだりする時は、何か不安だったり脅威を感じている時です。安定するまで好きに過ごさせ、今後攻撃されないように予防に徹することが重要になります。
犬の気持ちを満たしてあげられているかを見直す
犬が不安定だと感じる時は、犬の気持ちを満たしてあげられているかどうかを見直すことが大切です。運動量は十分だったか、何かストレスになる原因はないか、コミュニケーションの時間は十分に取ってあげられているかなどを振り返ってみましょう。ただ何でも犬の要求に従えば良いわけでもありません。基本的なしつけは続けながら、必要に応じておやつなどを与えるようにしましょう。
根気強くトイレトレーニングをする
どんなにしっかりとトイレトレーニングをしていても、反抗期に入れば粗相が増えてしまいます。部屋のあちこちに粗相をされたら、飼い主さんも困ってしまうでしょう。反抗期時の粗相は、放置すれば反抗期が終わっても繰り返すようになってしまうことがあります。根気強くトイレトレーニングをし直すことが大切です。
また、オスはマーキングのための粗相が多くなります。去勢をすればある程度改善されるため、あまりにも困るようだったら検討してみることがおすすめです。ただ個体差が大きいため、去勢をしたとしてもマーキングが0にならない場合もあるので注意が必要です。
犬にもイヤイヤ期がある
「魔の2歳児」とも呼ばれる子どものイヤイヤ期では、自我が確立しだしたことでどんなことでも「イヤ!」と主張します。実は犬にもイヤイヤ期に当たる第2次反抗期があると言われ、原因は人間と同じく自我の確立が関係していると言われています。この頃の犬は、飼い主さんの言うことをまともに聞かずに自分の思った通りの行動を取りたがります。
しかし言うことを聞かないからと放置するのは、しつけの面でも良くありません。飼い主さんの指示に従った時はしっかりと褒めることで、指示を聞く=嬉しいことを再認識させる必要があります。
まとめ
飼い主さんの指示を素直に聞かなくなったり唸ったりすることが増えたら、それは犬に反抗期が来たのかもしれません。反抗期は、あくまで一時的なものです。落ち着いて、飼い主さんとして毅然とした態度で接することが大切です。ただ反抗期は犬にとってとても不安に感じる時期でもあるので、必要以上に叱ったり刺激したりすることがないようにしましょう。反抗期の過ごし方も大切なので、しっかりと知識として学び備えることが大切です。