ハムスターの皮膚病にはどんな症状が見られる?代表的な皮膚病と予防法とは
2023.05.23
滑らかな被毛を持つハムスターをいつまでも撫でていたいと思う飼い主さんは多いでしょう。綺麗好きな動物であるハムスターですが、実は皮膚病に悩むことが少なくありません。今回は、日常的にかかりやすいハムスターの皮膚病の種類や皮膚に異常が見られる時の症状についてご紹介いたします。皮膚病を甘く見ていると大変なことになるので、適切な対処ができるようになりましょう!
皮膚病にかかるハムスターは多い?
大切に飼っていても下痢や病気など、ハムスターにトラブルが起きることがあります。中でも多いのが、ハムスターの皮膚病です。
綺麗好きなハムスターですが、食事や衛生面、遺伝的な要素などが原因で何らかの皮膚病にかかる可能性があるので注意が必要です。進行が速いハムスターの皮膚病は、飼い主さんのお世話次第である程度予防することができます。
皮膚病にかかったハムスターの特徴は?
皮膚病にかかるハムスターは、意外に多いです。しかし体が被毛で覆われているハムスターは、ぱっと見て皮膚病にかかっているかどうか判別し辛いですよね。では、皮膚病にかかったハムスターにはどんな特徴があるのでしょうか?
頻繁に痒がる
アレルギー性皮膚炎などの皮膚病にかかったハムスターは、しきりに炎症が起きた箇所を気にしたり痒がったりするといった行動が見られます。普段と違う行動が見られたら、ハムスターが皮膚病にかかっているサインかもしれません。気にする箇所に異常はないかどうか、実際に見たり触ったりして確かめてみましょう。
綺麗な毛並みを維持できなくなる
綺麗好きであるハムスターは、毛繕いや砂浴びをすることで皮膚病を予防し艶のある毛並みを維持しています。しかし皮膚に湿疹ができたりすると、高齢になったり毛繕いが満足にできないため美しい毛並みを維持できなくなり荒れるようになってしまいます
脱毛や湿疹などの症状が見られる
ハムスターが皮膚病にかかると、脱毛や赤い湿疹、フケなどの症状が見られます。毛が薄くなってきたと感じたり明らかに痒がったりしたら、皮膚病かもしれません。フケなどが浮いてきたりしていたら、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
ハムスターに多い皮膚病
痒みや発疹、フケなどハムスターの皮膚に異常が見られる場合は早めの治療が大切になります。では、日常的にかかりやすいハムスターの皮膚病にはどんな種類があるのでしょうか?代表的な3種類をご紹介いたします。
ニキビダニ症
ニキビダニ症の原因となるニキビダニは、被毛の毛穴の奥に常にいるダニの一種です。ハムスターの抵抗力が落ちてくると途端に悪さをし始めます。特にゴールデンハムスターに多い皮膚病で、脱毛や痒みなどの症状を引き起こすのが特徴です。
ニキビダニは殺ダニ剤がなかなか効きません。ニキビダニ症の治療は、殺ダニ剤の注射もしくは内服以外にハムスターの免疫力が落ちた原因の改善が不可欠になります。
皮膚真菌症
皮膚真菌症は真菌の感染によって起こる皮膚病で、特に湿度が高くなりやすい梅雨などに発症しやすくなります。給水ボトルの水漏れやハムスターのおしっこなどでケージ内が群れると真菌が増殖するので、こまめな掃除が大切です。
皮膚真菌症は脱毛やフケなどの症状が見られ、若いハムスターでも珍しくない皮膚病です。集団感染することも少なくなく、治療法は内服薬の投薬になります。
アレルギー性皮膚炎
床材のパインチップやウッドチップにアレルギー反応を示すハムスターもいます。チップが触れた腹部に強い痒みが起こり、ただれや赤くなることがほとんどです。痒くて掻いてしまうため、ハムスターにとっても辛い皮膚トラブルです。細菌感染を起こしてしまうと、さらに症状が酷くなります。
アレルギー性皮膚炎の場合、アレルギーの原因となっているものを取り除けば1週間くらいで改善することがほとんどです。細菌感染をしている場合は、抗生物質の投与も必要になります。
皮膚病の原因
ハムスターの皮膚病はどれも日頃と比べてハムスターの様子がおかしくなるため、異変に気付いたら早急な対策が必要です。スキンシップなどで異常を見つけるケースも多いため、ハムスターとの時間を大切にしたいですよね。そもそも、ハムスターが皮膚病になりやすくなる原因とはどんなものがあるでしょうか?
バランスが整っていない食事
栄養バランスが整っていない食事を続ければ、免疫力が下がるため皮膚病にもかかりやすくなってしまいます。人間だって偏った食事を続ければ、生活習慣病になってしまうのと同じです。
ハムスターの理想的な食事は、栄養バランスが整ったペレットです。おやつとして好まれるヒマワリやカボチャの種、ドライフルーツは脂肪分や糖度が高いため、あげすぎるとあっという間に肥満になります。またハムスターは頬袋に入れて自身の巣穴に持ち帰って食べる習性があるため、きちんと食べているかどうかのチェックも大切になります。
衛生的ではない飼育環境
ハムスターのケージを定期的に掃除していれば、皮膚病にかかるリスクを減らすことができます。しかし、こまめに掃除をしていないとケージ内が不衛生になり湿度も上がってしまう為、細菌が増殖しハムスターが皮膚病にかかりやすくなってしまいます。
おしっこがついた床材などがいつまでも放置されていては、ハムスターもストレスが溜まるでしょう。
高齢によるもの
高齢のハムスターは、栄養の吸収が難しくなります。食欲も落ちやすくなるため抵抗力や免疫力が下がり、皮膚病などの病気にもかかりやすくなってしまうのです。また年を取ると毛繕いも満足にできなくなることが増えるため、皮膚を衛生的に保つことも難しくなってしまうことも増えてしまいます。
ストレスによるもの
皮膚病を引き起こすニキビダニは、ハムスターにはつきもののダニです。抵抗力がある健康なハムスターに悪さをすることはありません。
しかし、ストレスで抵抗力が弱ったハムスターは別です。抵抗力が弱まっていると皮膚病を始めとするさまざまな病気にかかりやすくなるため、過度なストレスは万病のもとと言えます。ハムスターの健康を守るためにも、ストレスを与えないように気を付けることが大切です。
あらかじめ病気の原因を取り除こう
ハムスターの皮膚病を防ぐためには、適切なハムスターの健康管理と環境の見直しが何よりも大切です。
バランスの良い食事やストレスの排除だけでなく、たとえハムスター向けでもハムスターのアレルギーになるものも多いことを覚えておきましょう。今までアレルギー性皮膚炎になったことがないのにも関わらず、急に発症したら床材をウッドチップに変えたせいかもしれません。
消臭効果や香ばしい匂いが魅力的なウッドチップも多く販売されていますが、必ずしもハムスターにとって良いわけではありません。それは与えるおやつなども同じです。ハムスターが病気を発症した場合、体が小さい分進行も早いです。体力の消費も激しいため、もし原因だとわかった場合はすぐに病気の原因を取り除くことが大切です。
ハムスターの皮膚に異常が見られたら動物病院へ
ハムスターの皮膚に異常が見られたら、できるだけ早くかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。皮膚病などの皮膚トラブルを放置するのは止めましょう。ハムスターも辛い思いをしますし、どんどん悪化すればその分治りも遅くなってしまいます。
動物病院で獣医さんに診てもらえれば、内服薬などを処方してもらえます。動物病院まで行く時は、ハムスターのケガ予防のために小動物用のキャリーケースか小さめのプラ容器などに入れて連れて行くと安全です。
わかりやすい皮膚の症状の伝え方
ハムスターの皮膚に異常が見られて動物病院を受診する際、わかりやすく症状を伝えることが大切です。
・症状に気付いたのはいつ頃からか
・床材や巣材はどんなものを使っているか
・掃除の頻度や与えている食事は
・最後に掃除をしたのはいつか
・ハムスターの年齢 など
また多くの動物病院は犬や猫を専門に診ているため、鳥やハムスターを診察するのは難しいというところも少なくありません。何かトラブルがあった時に一から動物病院を探すのは大変です。できれば普段から健康をチェックしてくれるかかりつけの動物病院を見つけておきましょう。
まとめ
ハムスターの皮膚病は、ニキビダニや真菌、アレルギーなどによるものが代表的です。日頃から食事や環境に気を付けることで防ぐことができます。体が小さいハムスターは皮膚病の進行も早いため、もし異常を見つけたらなるべく早く動物病院で診てもらいましょう。日頃からスキンシップや観察を通して、皮膚に異常がないかどうかをチェックする習慣をつけておくこともハムスターを守るために大切です!