犬が膝の上に乗ってくるのは愛情表現?実はそうじゃない場合も!
2022.12.27
座っている飼い主さんの膝に犬が乗ってくると、懐かれていると感じて嬉しくなりますよね。愛情表現で飼い主さんの膝に乗ってくることが多い犬ですが、実は他にも理由もあるのです。中には放置せずすぐに下ろした方が良い場合もあるので、注意が必要です。今回は、犬が飼い主さんの膝に乗ってくる理由をご紹介いたします。
犬が飼い主さんの膝に乗ってくる理由とは
飼い主さんが座っていると、犬が膝に乗ってくることがあります。甘えたいのかな?と微笑ましくなりますよね。ぴったりと体をくっつけてくる犬は、どんな理由で飼い主さんの膝の上に乗ってくるのでしょうか?
1.広範囲に自分の匂いをつけたい
犬は、縄張り意識が強い動物です。家の中のお気に入りのスペースや飼い主さんに違う匂いがついていたら落ち着かなくなります。犬が膝に乗ってくる時は、自分の匂いを広範囲にわたってつけたい可能性があります。スリスリと体をこすりつけることで、飼い主さんに自分の匂いをつけて安心したいのです。
飼い主さんの中には、犬を多頭飼いしている方もいるでしょう。他の犬と遊んだ後に限って膝の上に乗ってくる犬もいます。また外から帰ってきてソファに座ってすぐ膝の上にのっくるのであれば、外の匂いが気に入らないのかもしれません。いずれにせよ、犬の独占欲による行動なので犬の気が済むまで放っておいてあげましょう。
2.飼い主さんに甘えたい
犬が飼い主さんの膝の上に乗ってくる理由の一つに、甘えたいからというのがあります。膝の上に乗ってくるだけでなく、体の力を抜いてリラックスしていたりお腹を見せたりしていたら飼い主さんに甘えている証拠です。話しかけてあげたり優しく撫でたりしてあげましょう。犬にとって、大好きな飼い主さんとのコミュニケーションやスキンシップが至福の時間です。邪見にしたりせずに穏やかな心で受け入れてあげてください。犬が満足すれば、自分から膝から降りてくれます。
3.かまって欲しい
飼い主さんが座って作業をしている時に犬が膝に乗ってくるのは、かまって欲しいからです。子犬の時に抱っこされて膝に乗せてもらったことがある犬は、大人になってもその時のことを覚えていることが多くあります。もし犬が膝に乗ってきてジッと飼い主さんを見つめてくるようなら、一緒に遊んで欲しいのかもしれません。最近あまりスキンシップの時間が取れていない方は、積極的に犬をかまってあげましょう。
4.おもしろいことをしたい
飼い主さんの膝に乗ってくる犬の中には、膝に乗ることをおもしろいと思う犬もいます。飼い主さんの膝に乗るとくっつけるだけでなく遊んでもらえることもあるので、犬にとって楽しい場所という認識なのです。ただ興奮しすぎていると犬も加減が分からなくなるので、怪我をする恐れがあります。嬉しそうに尻尾をぶんぶん振り回している時は興奮している状態なので、少し落ち着かせてあげてからかまうようにしましょう。
5.安心できる
犬は、怖いことがあると安心できる場所に行きます。特に他の犬と喧嘩をしたり雷が鳴っていたりして怖い思いをした時は、飼い主さんの膝に乗ってくることが多くなるようです。犬にとって飼い主さんの膝=安心できる場所であることがほとんどです。犬が不安やストレスから膝に乗ってくるときは、撫でて落ち着かせてあげましょう。一緒に声掛けも行うとさらに効果的です。
膝に乗ってくるのを止めさせるべき場合とは
犬が飼い主さんの膝に乗ってくるのは、大好き!という気持ちの現れです。しかし中には愛情不足による不安や病気の可能性もあるので、きちんと見定めることも大切になります。一方で犬が膝に乗ってくるのを止めさせるべき時があります。一体どのような場合なのでしょうか?
膝の上に脚を乗せてくる
犬が膝に乗ってくる時に、わざわざ膝の上に脚を乗せてきた場合は自分の優位性を主張している可能性があります。放置すると「飼い主よりも自分の方が偉い」と教えることになるので、もし気が付いたら早めに止めさせることが大切です。多頭飼いをしていると、膝の上に乗った犬が下にいる犬に威嚇することもあります。「自分の方が上の立場にいる」という意味があるため、叱ってやめさせましょう。
放置していると、犬が攻撃的になる恐れがあります。優位性の主張は、犬の本能による行動の一つです。ただ膝に乗ってくるだけでなく他の犬への当たりが強くなって困る場合は、一度獣医や犬のトレーニングを専門とするトレーナーに相談して見ると良いでしょう。
マウンティング
飼い主さんの膝の上に乗ってくる犬の中には、しがみついて腰を小刻みに動かすマウンティングをする犬がいます。飼い主さんの膝の上に脚を乗せる行動と同じく、犬のマウンティングも優位性の主張を意味します。犬の本能だからしょうがないと放置すれば、犬は「飼い主よりも偉い」と勘違いし指示を聞かなくなるので注意が必要です。マウンティングを始めたら、「ダメ」と叱ってすぐに下ろしましょう。何度か繰り返していく内に、犬も理解します。
犬が飼い主さんから離れないのは愛情不足?
犬にも犬のペースがあるため、いつでも飼い主さんの膝に乗ってくるわけではありません。もし犬が時間を問わずずっと飼い主さんの側に居続けたがる場合は、メンタルが不安定なのか体調が優れないのかもしれません。犬は飼い主さんとのスキンシップが不足していると不安定になります。無駄吠えが増えたり必要以上に周囲に過敏になったりすることが増えた時は、スキンシップの時間を見直してあげましょう。あまりにも飼い主さんから離れたがらず無駄吠えなどが多い場合は、一度獣医やトレーナーに相談してみるのがおすすめです。
犬が不安を感じないようにできることとは
犬が不安を感じて飼い主さんの膝に乗ってくることは、珍しいことではありません。犬の不安やストレスを解消させるためにスキンシップを増やすのも大切ですが、同時にきちんと言うことを聞くようにしつけを徹底するのも重要です。
ハウストレーニング
飼い主さんの膝の上以外にも犬が落ち着ける環境があることが大切です。犬は、やや狭く四方が囲われた場所を好みます。犬用の家を用意し、飼い主さんの「ハウス」の指示でその中で過ごさせるようにしつけましょう。慣れてくれば、犬にとって安心できる場所になります。夜寝る場所になるだけでなく、自分が安心して過ごせる場所でリラックスできるためストレスも解消される効果が期待できます。
マットトレーニング
「待て」や「おすわり」の指示でマットや床の上で、犬が安心して過ごせるようにする訓練も大切です。ゆったりと過ごすことができると分かれば、犬も自分のペースで過ごせるようになります。
ドライブ中に犬を膝に乗せるのは危険!
車を運転している運転手が、膝に犬を乗せているといった光景を見たことがある方は多いのではないでしょうか?微笑ましい光景ではありますが、膝に乗ってくる犬を放置して運転を続ける行為は、とても危険です。道路交通法第55条2項に違反する可能性があります。もちろん警察にも停車を命じられるので、絶対に犬を膝に乗せたまま運転をしてはいけません。
犬が運転中も飼い主さんから離れず膝に乗ってくるのは、確かに愛おしくなります。しかし万が一事故が起こった際、膝の上にいる犬は前に倒れてきた飼い主さんとエアバックに挟まれたり強い衝撃が襲ったりするでしょう。命にも関わるので、愛犬の命を守るためにも運転中は犬を固定したケージに入れたり専用のシートベルトを装着したりしてあげてください。
ダメなことはダメと犬に伝えるべき
いくら犬が可愛くても、ダメな時はダメと伝えるべきです。犬は飼い主さんがきちんと拒否しなければ、やっても良いのだと思います。犬が膝に乗ってくる行為は可愛いため拒否するのは罪悪感を感じてしまいがちですが、都合の悪い時やマウンティングのためにやっている時は心を鬼にして叱ることが大切です。膝に乗っても良いタイミングを教えれば、犬も覚えてくれます。甘えて良い時は、犬の気が済むまで存分に膝の上で可愛がってあげましょう。
まとめ
犬が膝に乗ってきて甘えてくれるのは、飼い主さんにとっても癒しの時間です。お腹を見せてくれたり飼い主さんの目をジッと見つめてきたりすれば、愛しさが増すでしょう。犬とのスキンシップの時間は、飼い主さんにとっても犬にとってもたくさんのメリットがあります。しかし犬が膝に乗ってくる理由は、飼い主さんへの愛情表現だけではないことも覚えておくことが大切です。普段から犬の様子をしっかりと見ておくことで、お互いにストレスのない時間を過ごすことができるでしょう。