カエルはストレスで体の色が変わるって本当?ストレスの原因も解説
2024.07.30
愛らしい姿で人気があるアマガエルは、環境に応じて体の色を変化させることができます。人間には真似ができない能力ですが、カエルが体の色を変化させるのは外敵から身を守るためだとされています。また、カエルはストレスを感じると、体の色を変化させることがあるようです。 どんな動物でも、ストレスが溜まると体調不良の原因になることがあります。 今回は、カエルがストレスを感じた時に変化する体の色についてご紹介します。カエルにとってのストレスの原因も併せて解説するので、カエルのお迎えを検討している方は必見です!
カエルが体の色を変えられる仕組み
カエルの中でも二ホンアマガエルは、場所に合わせて体の色を変化させることができます。基本の緑だけでなく、茶色や黒に近い暗色などに体の色を変化させることができます。
そもそもカエルが体の色を変えることができるのは、表皮の下に黄色素胞、虹色素胞、黒色素胞の3層で構成されていることが関係しています。黒色素胞の中にあるカエルの色素が、変化することで光の反射や吸収も変化し色が変わる、というメカニズムです。一方で、カエルの色の変化は、まだわからないことがたくさんあります。
自然はもちろん、街中にも溶け込むことができる色は、保護色でもあります。変化できない色はないとまで感じられるカエルの色の変化ですが、真っ赤やピンク、紫に変化させることは難しいようです。
カエルが体の色を変化させるのは外敵から身を守るため
カエルが体の色を変化させる目的は、外敵から身を守るためと考えられています。カエルを好んで捕食するのは、サギやモズといった鳥類や蛇、イタチやタヌキ、ヒキガエルなどの大型のカエルになります。
空から見た時に葉っぱと同じ緑や土に似た茶色や黒っぽい色に変化することで、敵に見つかりにくくなるのです。一色ではなくまだらな模様になる理由は、迷彩模様のように周りの風景に自然と溶け込むためとされています。
カエルがストレスを感じると体の色が青寄りになる
カエルは、ストレスを与えることで色が変化します。ストレスを与えられたカエルの色の変化についての実験は、愛知県安城市立篠目中学校に通う女子学生による自由研究で行われました。比較の結果、ストレスを与えられたカエルは皮膚の色を青寄りに変化したことが分かりました。
実験内容は、15分ほど安静にさせたカエルを赤、青、黄色、緑のLEDライトでの照射と、振動、冷熱・温熱、外敵の3つのストレス手段の組み合わせを変えながらストレスを与えた後、実験前と実験後の皮膚の色を比較したそうです。
カエルがストレスを感じる原因
カエルは人と違い、言葉による説明ができないため、飼い主さんがカエルの身になって飼育環境などに気を付ける必要があります。
カエルがストレスを感じると、体調不良の原因につながる恐れがあります。
カエルにとって、どんなことがストレスの原因になるのでしょうか?
騒音や振動がある
カエルは、静かな場所を好む動物です。カエル特有の「ゲロゲロ」という鳴き声で仲間とコミュニケーションを取ったりメスに求愛をしたりするため、ある程度声が響きやすい水辺の静かな場所で暮らすことが多い傾向にあります。
カエルを飼育する際は、可能な限りテレビの音や掃除機などの大きな音がする場所を避け、静かな部屋で飼育しましょう。部屋でカエルを食べることもある犬や猫、インコを飼育している時も、鳴き声や威嚇の声に怯えてストレスが溜まり、体調不良になることが多いようです。
暑すぎる・冷たすぎる
カエルが生活しやすいと感じる温度は、日中は25℃前後、夜は20℃前後とされています。カエルの種類の中には、生息している地域の環境に適応しているために多少の暑さや寒さは平気というタイプがいます。
しかし、暑すぎたり寒すぎたりする温度差が極端な部屋は、カエルが体調不良になることがあるため注意が必要です。ストレスの原因にもなるため、居心地が良い場所とは言えないでしょう。
飼育環境が合わない
多くのカエルが住むのは、田んぼなどの水辺です。小さな虫を食べて生きているため、清潔な場所を好みます。
本来ペットとして飼育されることに不向きなカエルは、不衛生な環境で飼うと非常にストレスを感じるようになります。また可愛いからと人がじっと眺め続けることも、カエルにとっては捕食者に狙われていると感じてストレスが溜まりやすくなります。
岩など、安心して隠れることができる場所もない場合、ストレスが原因でカエルが早死にしてしまうケースもあるようです。
カエルは体の色を変化させるのに時間がかかる
生き残るために体の色を変えることができるアマガエルですが、色を完全に変化させるには時間がかかります。体の色を変化させるために必要な時間は、大体30〜40分程度。神経の働きで瞬時に体の色を変化させるタコやカメレオンと違い、カエルはホルモンの働きで色の変化をするため時間がかかるのではないか?と考えられています。
また、光がきちんと当たっていない場合、変色ができないこともあります。葉っぱによって濃い緑に変化したり、黄緑色がかった薄めの緑に変化したり、コンクリートの上だと灰色がかった色に変化するなど、カエル自身で色の濃淡を判断することもできるようです。
突然変異したカエルの色は何色?
ペットとして人気のアマガエルは、基本的に美しい黄緑色です。しかし、カエルの中には突然変異で見たことがない色の体を持つカエルもいます。
突然変異で生まれたアマガエルは、本来持っている色素細胞に欠損が見られるため、体の色が黄色や青色、黒っぽい姿で生まれます。非常に珍しいため、黄色のカエルは「黄金のカエル」というキャッチフレーズでニュースに紹介されることもあるほどです。もし見つけたら、少し離れた場所から観察することをおすすめします。
まとめ
可愛い見た目のアマガエルですが、3種類の色素細胞を変化させることで、体の色を茶色や灰色、褐色などにすることができます。ストレスを与えることで体の色も変化するため、なるべくカエルに適した飼育環境を整えてあげることが大切です。
カエルのストレスの原因となるのは、騒音や振動、猫や鳥といった天敵の存在などです。ストレスを与えないようにすることで、カエルを病気から守る効果が期待できます!