ハムスターはストレスに弱いって本当?飼育する際の注意点とは
2023.01.31
小さくて可愛い姿と仕草が人気のハムスターはケージで飼育ができ、鳴き声もあまり発することがないため集合住宅や1人暮らし向けのペットとして人気の動物です。しかし、可愛いハムスターはストレスに弱いという特徴も持っています。今回は、繊細なハムスターの特徴と飼育する際の注意点を詳しく解説いたします。ハムスターのストレスにならないようにするだけで、穏やかな日々を一緒に過ごすことができるようになりますよ。
ペットとして人気のハムスター
スペースをあまり取らず鳴くこともあまりしないハムスターは、集合住宅でも飼いやすいペットの代表格です。ペットNGの物件でも、許可を取ればハムスターはOKというところも少なくありません。
定番のジャンガリアンハムスターをはじめ、ロボロフスキーハムスターやゴールデンハムスターなど人気の種類が多く、ペットショップなどで安価で購入できます。1人暮らしでも飼いやすいため、癒しとしてハムスターを飼い始める人も増えています。
ハムスターはストレスに弱い?
ハムスターは、人の手のひらに収まるサイズをした小動物です。愛らしく可愛い姿と見た目がペットとしても人気の動物ですが、ストレスに弱いとされています。捕食者が多いため、危険に身をさらすことが多いというのが理由です。
人間から見ればとても小さな体のハムスターが日々感じていることを想像するのは、難しいと思います。だからこそ、ペットとして飼う際どんなことがハムスターにとってストレスになるのかを考えることが大切なのです。
ハムスターの寿命
ハムスターの寿命は、一般的に2年ほどです。とても短い生を一生懸命全うします。ハムスターの心拍はとても速く、聴診器などで聞くと早すぎて音がずっと続いているかのように聞こえるそうです。人間と同じように、ハムスターもストレスが続けば心拍は早くなります。
生き物の一生の心拍の数は決まっていると言われているため、ハムスターにストレスを与えれば与える程その分寿命が短くなってしまいます。合併症も起こすリスクも高くなるため、ハムスターにストレスをなるべく与えるべきではないのです。
ハムスターがストレスを感じる瞬間とは?
ハムスターがストレスを感じる瞬間は、日常生活の中で意外と多くあります。どんなことがハムスターにとってストレスになるのかを知ることで、居心地よく過ごしてもらえるようになるでしょう。では、具体的にどんなことがハムスターにとってストレスになるのでしょうか?
落ち着かない環境
ハムスターは体が小さいため、人間の世界はとてもスケールが大きいです。話し声やテレビの音量が大きかったりドアを乱暴に閉めたりドシドシと足音が大きかったりすれば、ケージの中にいても騒音や振動で落ち着くことはできません。
常に騒音や振動、過度な光にさらされていれば、特にハムスター自身に何かしていなくてもストレスが溜まります。ハムスターと同じ空間で生活をするのならば、生活はできるだけ静かに行いハムスターを刺激しないようにしてあげましょう。
多頭飼育
可愛らしくのんびりしたイメージのあるハムスターですが、実際は縄張り意識が非常に強い動物です。多頭飼育の場合、ハムスター同士の相性が悪ければ強いハムスターが弱いハムスターを威嚇したり攻撃したりすることがよくあります。弱いハムスターにとって、毎日が恐怖でしかないでしょう。
繁殖目的でオスとメスを一緒のケージに入れれば、ハムスターの子どもが生まれ続けます。メスのハムスターにとっても休む間がないので、多大なストレスが溜まるでしょう。
ほかにペットがいる
既に他のペットを飼育している中で、ハムスターをお迎えする場合にも注意が必要です。ペットとして不動の人気を誇るのが、犬と猫です。動物好きなら、既に飼育している人も多いのではないでしょうか?しかしハムスターにとっては犬も猫もどちらも捕食者であり、特に猫はネズミが大好物です。
ケージ越しとはいえ、常に自分を食べる生き物がウロウロしている状況は落ち着ける環境とは言えないでしょう。SNSや動画で犬や猫とハムスターが仲良くしている光景がアップされていますが、あれはかなり稀な例です。絶対に真似しないようにしましょう。
無理なスキンシップ
ハムスターは、愛くるしい姿にふわふわした被毛が人気なため、ついつい触りたくなってしまう動物です。しかし、お迎えしたばかりの頃やまだ人に慣れていないハムスターと無理にスキンシップを取ろうとするのは厳禁です。
人間だって、慣れない環境で知らない人から無理矢理触られればストレスが溜まるでしょう。ハムスターも同じです。まずは慣れてもらうことを優先させることが大切です。
ストレスによる症状
ハムスターはストレスを溜めると、普段見られない行動を起こすようになります。ストレスが溜まった時、下記の行動を起こすことが多いようです。
● 人や物に噛みつく
● 鳴き声を上げる・フリーズする
● 震える
● 頬袋からエサを出す
● 逃げたり隠れたりする
● しきりに顔を洗う
● お漏らしをする
ハムスターは、本来賢い動物です。エサをくれて、尚且つ自分よりもはるかに強い人間に危害を加えることは通常ならしません。ケージをしきりに噛むのも、ストレスが溜まっている証拠です。
また鳴き声をあげる、フリーズする、震える、逃げたりするのも怯えていたり周囲を警戒している状態です。
頬袋からエサを出してしまうのも、怖い存在から素早く逃げるための本能による行動と言えます。ハムスターが頻繁に顔を洗いだしたら、少しストレスを感じているかもしれません。いずれにしろ、環境やハムスターへの態度を見直してあげる必要があります。
ハムスターを飼育する際の注意点
可愛く大人にも子どもにも人気のハムスターですが、思う以上にデリケートな動物です。飼育をする際は、極力ハムスターにストレスを与えないようにする必要があります。ハムスターに長生きをしてもらうためにも、どんなことに気を付けて飼育をすれば良いのでしょうか?
音や振動・匂いに気を付ける
騒音や振動は、ハムスターにも伝わります。電子機器の音もハムスターは苦手です。ケージを置く場所は、なるべく静かで振動が伝わらない場所に置きましょう。緩衝材を敷いた上か棚の上に置くことがおすすめです。
また人間よりもはるかに嗅覚が優れているハムスターは、強い匂いにもストレスを感じます。芳香剤や臭い付きの消臭剤からも遠ざけてあげましょう。
しつこく見ようとしない
ハムスターが可愛いとついつい様子を見たくなる気持ちも分かりますが、ハムスターはじっと見つめられることに恐怖を感じます。捕食者が自分達を食べるために、狙いを定めているのと同じ行動だからです。
慣れたら問題ありませんが、飼い始めた頃はできるだけ視線を向けないように注意しましょう。特に小さいお子さんがいる家庭は、注意が必要です。
隠れられるハウスやおもちゃを与える
ハムスターを飼う際、ケージにハムスターが隠れられるハウスを入れるのもおすすめです。姿を隠せる場所を作っておくことで、ハムスターも安心して過ごすことができます。
自然界で生きるハムスターは土の中で生活をして外敵から身を隠している種類も多いため、薄暗く少々狭い空間を好む習性を持ちます。視線からも逃れられるので、安心して過ごしてもらえるでしょう。またハムスターは、回し車や齧り木も大好きです。肥満防止や歯の伸びすぎの防止に役立ちます。
多頭飼育する際は、1つのケージに1匹にする
ハムスターは非常に縄張り意識が強いので、多頭飼育をする際は1つのケージに1匹ずつ飼うようにしましょう。ケージ越しに威嚇をするようなら、なるべく離れた場所に置くことがおすすめです。
また犬や猫を飼っている場合は、常にハムスターにとってストレスになります。飼っている猫や犬が出入りできない別室にケージを置いて飼育しましょう。
無理に触らない
まだ人に慣れていないハムスターを無理に触るのは、ストレスを与えるだけです。触りたくなる気持ちも分かりますが、まずはハムスターが新しい環境に慣れてくれるのを優先しましょう。慣れて触れるようになっても、ハムスターが負担に感じるほどスキンシップを取るのもおすすめできません。触る時は、なるべく短時間で終わらせましょう。
まとめ
愛らしく可愛いハムスターですが、小さい体故にたくさんのことがストレスになります。人間からすれば大したことではなかったり悪気はなかったりしたとしても、ハムスターにとっては大問題であることがあるので飼育の際には注意が必要です。ハムスターにとってどんなことがストレスになるのかを知ることで、お互いに楽しい生活を送れるようになります。ぜひハムスターのことを知って、スキンシップも楽しんでくださいね。